帆立稚貝の情報7頁目です。前の頁 では、帆立稚貝に付着する白いウネウネの正体や、その他の付着生物の正体を解説しました。
そこで本頁では、それらの付着生物を食します!
。≠( ̄~ ̄ ) モキュモキュ
また、付着物の有効活用法もご紹介!美味しいものもあれば、不味いものもあったので、興味がある方は是非ご参考にして下さい。
この記事は人によっては不快に感じる画像が含まれます。
付着物を食す行為はご自身の責任において行って下さい。
帆立稚貝(ベビーホタテ)の情報 7/8頁
[7頁] 帆立稚貝の付着物を食べる!
[8頁] 帆立稚貝の長期での保存法(coming soon)
7頁目の概要
- 稚貝の付着生物の実食と活用法!
帆立稚貝に付着した生物を食す
付着物を食す行為はご自身の責任において行って下さい。
ウネウネ管棲多毛類の味は?
それでは早速、帆立稚貝の付着生物を実食していきたいと思います!╭( ・ㅂ・)و ̑̑
グッ!
帆立稚貝の付着物として最も目につくのは、この白いウネウネ。
これは自ら作り出した白い管に棲む、管棲多毛類のカサネカンザシという生物だということは前の頁で解説した通りです。
帆立稚貝に付着する生物の実食として、これを外すわけにはいかないでしょう。
(;^△^)
ということで、棲管の中から4匹の個体を引きずり出してみました。
う、う~ん。全く食べたくないビジュアル!
しかし、ここは食への探究心を持つ者として勇気を出して食べてみましょう。
カサネカンザシを塩茹で
バターソテーかなんかにしようかとも思いましたが、時間が無かったので茹でてみました。
あれ!?加熱すると海老の様な赤味が出て、プリッとした見た目になって・・・、
意外と美味しそうかも!?( ¯﹃ ¯๑)
ムムッ!
では、いざ口へ運んで、パクリと・・・。
≠( ̄-( ̄) モグモグ
≠( ̄-( ̄) モグモグ
・・・・・・。
・・・・・・。
うっ!(;゚;艸;゚;)
げぼぉ! ゙;`;:゙;・(;゚;Д ゚;)
まっ、不味っっ!!
ゲロまずぅっっ!
お、おっと取り乱して下品な言葉遣いになってしまいました。失礼致しました。
(;´▽`A“
全くプリッとしてない!グニュグニュした不快な食感。鼻腔を貫く磯ヘドロ臭、口にジワッと広がるエグ味と青臭さ。想定を遥かに上回る(下回る?)不味さ。
基本的に食べ物を残さないのが信条なのですが、これは無理でした。ごめんなさい。
Point!
- ドブのヘドロを口に入れた感じ(汗。誰にもおすすめできない。
- 昆虫食やゲテモノにご興味がある方は自己責任でトライ!
カサネカンザシの調理
今回のカサネカンザシは食べられたものではありませんでしたが、もしかしたら泥抜きといった処理や、味付け、調理法などで変化するのかもしれません。もしも気が向いたらまた挑戦してみます。たぶん・・・(汗。
魔界的な生物フジツボの味は?
さて、気を取り直しまして(汗、続いては高級食材としても流通するフジツボいってみましょう!
m9っ`Д´) ビシッ!
大きく成長したミネフジツボは高級食材なので、これは否が応にも期待が高まります♪
・・・とは言っても、その本体の姿は魔界的で、カサネカンザシにも負けず劣らずなかなかのフォルムなんですけどね・・・。
(^◇^;) トラウマ…
フジツボも塩茹ででGO!
とりあえず、さっと塩茹でしてパクっと。
こ、これは!?
う、旨い!!(*≧∀≦*)
悪魔的で奇妙なフォルムとは裏腹に、甲殻類系の旨味があり、なかなかの美味です!
こちらはまた別の個体となる大きなフジツボ。次は酒蒸しにしてみました。
小さいのであっという間に無くなってしまいますが・・・、これまた普通に美味しいです!
σ(~~~、) ムシャ ムシャ
これは今後、稚貝から取り除いて集めたフジツボを酒の肴にしても良いかもと思いました(この時点では…)。
小さいフジツボの味は…?
大きめのフジツボは普通に美味しかったので、稚貝によく付着している小さなフジツボも食べてみたいと思います。
…ということで、苦労して小さなフジツボをせっせと集めました。
たったこれだけの量を集めるにも、なかなかの時間と労力を費やしますね。特に剥き身にするのが大変でした。
(≧д≦)ゝ
ひとくち分が集まったところで、これを塩茹でして、パクリと食べてみました。
ふ、不採用!(≧д≦)
何やらジャリジャリする不快な口当たり、かと言って特に旨味も無し・・・。
ものすごい手間ひま掛けて、小さな殻からフジツボ本体をちまちまと取り出して集めたわけですが、その労働には全く値しない味ですわ~。
(´•ω•̥`) トホホ…
Point!
- それなりに大きいフジツボなら食べてみる価値あり。
- 小さなフジツボはおすすめしない。
- 甲殻類であるため「甲殻類アレルギー」の方は食す事を控えて下さい。
フジツボの紹介動画
フジツボの種類
おそらくですが、先に紹介した大きい方のフジツボは、「ミネフジツボ」が大きく成長する前の段階、対して小さい方は「サンカクフジツボ」かと思います。種類によって味や舌触りが違うのかもしれません。
もはや海老のつまみ?ワレカラ
次に実食してみるのは、フジツボと同じく甲殻類となるワレカラです。
上の画像はパッと見ではゴミや海藻に見えますが、前の頁 でも解説した通り、れっきとした甲殻類です。
こちらは先の画像の個体よりも、見た目が分かりやすい完全体なワレカラを乾燥させたものです。
何やらエヴァ(C)庵野秀明/GAINAXを彷彿とさせる様なフォルムですね。∑(〃゚ o ゚〃)
オォ~!
火も通さず、自然乾燥しただけですが、このままパリッと食べてみました。
お!
うましら~!(´◉◞౪◟◉)
正に海老やカニのような甲殻類の風味、パリパリの食感。
これは、もはや「おつまみ」です!
量があれば塩とか振ってちゃんと調理しても良いかもしれません。( ̄~; ̄)
ウマウマ
Point!
- ワレカラは残念ながら食材としては流通していません。
- 帆立稚貝の他、海藻類などに付着し混入している事もあります。
- 甲殻類であるため「甲殻類アレルギー」の方は食す事は控えて下さい。
寄生虫ホタテエラカザリを食す
続いては、再びカサネカンザシ的なゲテモノ系?的な?。
(;^△^)
帆立稚貝に寄生するホタテエラカザリを食べてみます。まあ、可愛いと言えば可愛い見た目と名前、お味はどうでしょうか?
では、パクっ。
むぐむぐ・・・。≠( ̄~ ̄ )
う~ん。なんかムニュっとしただけで無味ですね。(。-`ω´-)
ムフー
カサネカンザシを思い起こさせる食感ですが、無味な分だけカサネカンザシほどの不味さはありません。
もしも栄養価など食べる価値があれば、量を集めてペーストにして味付けすればイケるやもしれません。もしかしたら・・
Point!
- ホタテエラカザリは人体に害はないので、稚貝を食べる際に見落としてしまっても大丈夫です。
極小ながら極上の味!ミニほや
こちらは一見すると普通のホヤですが、なんとそのスケールが1cmほどという、可愛いミニほやです。
こんな小さな頃から、大人と同じ形をしているんですね~。
(σロ-ロ) ホホウ…
塩茹でにしてみると大人のホヤとと同じく真っ赤になりました。そして普通の捌き方と同じく鞘を切ってみると、当然ながら中にもミニほやの本体。
極小のミニチュアほやを捌く
真ん中の心臓みたいな物体がミニほやの本体。剥き身にした状態です。
ホヤは大好物なのですが、果たしてこの小ささ、未成熟な状態でのお味はどうなのか?気になるところです。
パクリと食べてみると・・・
おお~!?
普通にホヤの味!
てゆーか、むしろ
濃厚~!?(⌒¬⌒*)
見た目も大人のホヤと同じですが、味もなんら遜色ない旨さ!なんならむしろ濃厚な旨味です。これはお得!
食材として「ミニほや」流通しないかなあ~。
(๑¯﹃¯๑)
ムール貝が付着しててお得?
帆立稚貝には時折りムラサキイガイなどの二枚貝が付着してることもあります。
上の画像で言うと黒い方がムラサキイガイ、白い方はキヌマトイガイかなあと思うのですが、貝類は怖いのでよく分からないものを食べるのは遠慮しておいて、ムラサキイガイだけ食すことにします。
Point!
- ムラサキイガイとは、いわゆるムール貝のことです。
- スペイン料理のパエリアなどにも使われている食材です。
酒蒸しにしたムラサキイガイです。小さいですが、味はお店で食べるムール貝のお味です。≠( ̄-( ̄)
フムフム
ただし、ムール貝は貝毒を自然排出するまでに時間を要します。
その点を考慮すると、検査を通って市場に流通しているものではないので、今後は特に食べなくても良いかなあという感想です。
Point!
- 左上の画像の根っこみたいなのが足糸です。
- 足糸で帆立稚貝の殻などに付着しています。
- 自然採取の二枚貝は毒性がある場合もあります。
しっかり美味しい真っ赤な稚貝
こちらは帆立稚貝のパックの中に、たまに紛れ込んでいる小さな稚貝です。
年末年始頃に流通している稚貝は、3cmほどの小さなものが多いですが、これはそれよりも一回り小さい2cmほどの稚貝です。
Point!
- 真っ赤な色ですが、これも帆立の稚貝です。
小さな稚貝が3個ほどあったので、紹興酒と醤油で酒蒸しにしてみました。
帆立の旨味が充分に味わえて普通に美味しいです。小さい稚貝が入っていた場合は一緒に料理に使っちゃうと良いと思います♪(๑•̀ㅂ•́)و✧
食べるのが疲れる赤ちゃん稚貝
こちらは上の項目で紹介した小さな稚貝よりも更に小さい、1cm~1cmにも満たない小さな稚貝です。
普段は1パック中に1~3個入っている時も、たまにあるかなあ、という感じですが、何故かこの時に購入したものには大量に入っていました。(;^△^)
ナ、ナゼ?
帆立稚貝は、もともと帆立の赤ちゃんと言えますが、この小ちゃな帆立稚貝は更に小さく、正に産後間もない赤ちゃんとでも言いましょうか。
まあ、せっかくなのでこの1cmにも満たない稚貝も食べてみようと思います。
Point!
- これは付着期の赤ちゃん稚貝かと思われます。
小さ過ぎるという問題
ご覧のように、小ちゃな赤ちゃん稚貝がけっこうたくさん入っていました。これを2パック分集めて酒・醤油・みりん・生姜・鷹の爪で酒蒸しにしてみました。(。-ω-)ノ
かなり小さいですが・・・、
ちゃんと帆立の味がします!
難点は小さすぎて食べるのが面倒臭いということでしょうか。(;´▽`A``
トホホ…
しかし日本酒をちびり、ちびりと呑みながら、ぽつぽつとゆっくりと味わうには良い感じだと思います。豪快な人は殻ごとバリバリ食べても良いかもですねw
Point!
- 出汁取りに使用したり、他の稚貝と一緒に食べると良いでしょう。
帆立稚貝からの除去物の利用法
飼育ペットの餌にする
帆立稚貝から除去したカサネカンザシやフジツボなどの付着生物。
ただ破棄するのは何となく勿体無いので、何かに利用できないかと考えまして、我が家の「てんてんちゃん(カブトニオイガメ)」の登場。
Point!
- カブトニオイガメは貝を殻ごと食べます。
ということで、カサネカンザシやフジツボも殻ごと食べるのではないかと思い、おやつに上げてみることにしました。(。-ω-)ノ
タベンサイナ
帆立稚貝から除去したカサネカンザシ、フジツボ、殻が割れていた稚貝を水槽に入れると、てんてんちゃんはバリバリモシャモシャと美味しそうに食べていました。(*´艸`)。o○
ムフフ
飼育している生体に与える場合は自己責任でお願いします。
カブトニオイガメと貝
カブトニオイガメは頭部が大きいのが特徴です。貝類を食べさせることで更に頭部が大きく成長すると言われており、それを目指す飼育者の方もいます。
飼育魚のおやつにも
ところで、我が家には「てんてんちゃん」以外にも、食いしん坊たちがいます。
鉄魚(てつぎょ)たちです。
鉄魚もかなり食いしん坊で、川でヌマエビを採取してきた際に網にかかったヤゴなんかを上げると食べていたので、これはカサネカンザシも食べるだろう、ということで・・・、
記事冒頭で私が不甲斐なくも残してしまったカサネカンザシを水槽に投入すると、あっという間に食べてしまいました。
٩(๑ˆOˆ๑)۶タベタ~!
Point!
- 中身を取り出して柔らかい剥き身の状態にすれば、他の多くの水棲生物・爬虫類・両生類のペットたちにも、おやつとして利用できるのではないでしょうか。
飼育している生体に与える場合は自己責任でお願いします。
天然記念物「鉄魚」
背びれ・胸びれ・尾びれが長く、ヒレをたなびかせ優雅に泳ぐ姿が美しい鉄魚はコイ科の魚です。幼少期には体色が鉄サビ色をしており、それが名前の由来となっています。宮城県の加美郡加美町(旧宮崎町・旧小野田町)にある魚取沼(ゆとりぬま)には鉄魚が群生しており、1922年(大正11年)にその姿が発見された際には、金魚の原種ではないかと学会でも騒がれました。その後、1933年(昭和8年)には「宮城県魚取沼のテツギョ」が国の天然記念物(地域指定種)に指定されています。
釣り餌に利用する
カサネカンザシやウズマキゴカイは、釣り餌となるゴカイと同じ多毛類ですので、本体を取り出して釣り用の餌にできると思います。
その他、撒き餌として、または練り餌に加工しても利用できるのではないでしょうか。
また、釣りをする方はムラサキイガイやフジツボなどを現地採取して、それを餌として使うこともありますよね?
ということは、帆立稚貝に付着していたフジツボやイガイを使うというのも一つの手。釣りをされる方はお試ししてみてはいかがでしょうか?(;`―´)o/ ̄ ̄ ̄ ̄~>゚))彡
Point!
- 稚貝を購入後の2~3日程度なら、カサネカンザシやフジツボも生きていると思います(経験談)。
※釣りは学生時代以来やっていないので、実際に試したわけではありません(汗。飼育生物の反応から推測した提案になります。
まとめ
付着物を使うも破棄も貴方次第
本頁では、帆立稚貝の付着生物を実食してみましたが、もちろんこれを推奨しているわけではありません。
ただ、もし私と同じように食いしん坊で、もったいない精神の方がいれば、何かの参考になればと思います。
また、ただ破棄するだけでなく、普通なら破棄するものの利用法を考えることで何やら得した気分になりますので、これまたご参考になれば幸いです。
(*´∀`*)
まとめのPoint!
- とりあえずカサネカンザシは不味いw
- ペットのおやつ、釣り餌に使える可能性有り。