【カリカリ小梅の作り方】上手にまんまるに漬けるコツを解説

梅雨の前後は、梅と共に「小梅」も出回る季節です。小梅と言えば、駄菓子でもお馴染みの「カリカリ小梅」。今回は、そんなカリカリ小梅の上手な漬け方をご紹介していきます。

できるだけシワが寄らずにまん丸に漬けれるコツも併せてご紹介していきますので、カリカリ小梅作りに興味がある方は必見ですよ~!
(。◕ ∀ ◕。)

カリカリ小梅作りの用意

カリカリ小梅の材料と道具

カリカリ小梅に使う青い小梅 熟していない青い小梅

まずはカリカリ小梅を作るための知識を頭に入れておきましょう。手始めに材料と道具の把握です。

カリカリ小梅の材料
  • 熟していない青い小梅
  • 塩(小梅の重量の18%)
  • カルシウム液

※小梅を赤く染める場合は「赤梅酢」も必要。

なんでも食べ太郎

Point!

  • 熟して黄色っぽくなった小梅でも作ることは可能ですが、ベストのカリカリ具合にするためには「熟していない青い小梅」が重要。

緑なのに「青い小梅」
「熟していない青い小梅」と前述しましたが、これは実際には「緑色の小梅」のことです。みなさんも普段の生活で、緑色の葉物野菜を「青菜」と呼んだり、緑色の信号を「青信号」と呼んだりしていると思います。これは古来の日本語の「青」という表現に「青色」と「緑色」が含まれていた時代があり、その概念が綿々と現代にも続いているということです。

梅干し作りに使う道具 漬物道具
梅干し作りの道具の代用品 道具の代用

梅干し作りの場合は「干しかご」なんかも必要ですが、カリカリ小梅を作る際は不要です。また、漬物道具が無い場合でも台所用品などで代用することができます。

カリカリ小梅作りの道具
  • 漬物容器
  • 押し蓋
  • 重し
  • 漬物袋
なんでも食べ太郎

Point!

  • 代用品の詳細やポリ袋と漬物袋の違いは下記の記事を参照。
「漬物袋とポリ袋の違いは?」

「漬物道具の代用品は?」

カルシウム液とは?

カリカリ小梅に使うカルシウム液 カルシウム液

カリカリ小梅作りの材料欄に「カルシウム液」と記載しましたが、これは小梅のペクチンと反応するカルシウムを含有した液体です。

このカルシウム液は市販品もありますが自分で作ることもできます。

カルシウム液の材料
  • 梅酢 600ml
  • 卵の殻 2個分
  • 貝殻 20~30枚
  • にがり 30ml

※小梅1kgに使う量です。小梅500gなら半分。
※梅酢が無ければ「酢400ml・水200ml」で代用可。

なんでも食べ太郎

Point!

  • カリカリ小梅作りにはカルシウム液が超重要になってきます!

ペクチンとは?

緑色野菜 緑系の野菜

梅をはじめ果物や野菜の果肉が硬いのは「ペクチン」によるものです。

ペクチンは野菜や果物の細胞壁に存在する多糖類で、ペクチンが「細胞間の接着剤」の役目を果たし、果肉の硬度を保っています。

なんでも食べ太郎

Point!

  • 加熱したり熟したりすることでペクチンが分解されて果肉が柔らかくなります。

カルシウム液の作用

自家製のカリカリ小梅 カリカリ小梅(無着色)

それではカリカリ小梅作りにおいて、なぜカルシウム液が重要なのか?

それは
カルシウム液がペクチンの分解を抑えるからです。

なんでも食べ太郎

Point!

  • ペクチンとカルシウムが結合することで細胞組織の硬度が保たれ、カリカリ小梅の「カリカリ感」を保持することができます。

フルーチェとペクチン
みなさんお馴染みのハウスのフルーチェ。1976年発売のロングヒット商品です。フルーチェは牛乳を注ぐことでゲル化して凝固しますが、これも商品に含まれるペクチンと牛乳のカルシウムの結合を利用したものです。

カリカリ小梅作りの流れ

カリカリ小梅に使うカルシウム液

カルシウム液を作る

卵の殻、貝殻などでカルシウム液を作りる。

カリカリ小梅用の小梅を水に浸ける

小梅の下処理

アク抜きやヘタ取りなど小梅の下処理をする。

カリカリ小梅用の小梅を板ずり

小梅を塩ずり

小梅に塩をすり込み追熟を止める。

カルシウム液に漬けた小梅

小梅を漬ける(5日間)

カルシウム液で小梅を漬けていく。

カリカリ小梅に塩を追加

塩を追加(5日間)

塩を追加して、更に5日間漬ける。

カリカリ小梅に使うカルシウム液を煮沸

カルシウム液を濾す

カルシウム液の中に沈殿した成分を濾す。

自家製のカリカリ小梅

保存瓶に入れて完成。

保存瓶に入れて完成です。

なんでも食べ太郎

Start!

  • それでは以下からは、作り方の詳細をご紹介していきます!

カリカリ小梅の漬け方

カルシウム液の用意

1.【 卵の殻 】
カリカリ小梅に使う卵の殻の膜
卵の殻をサッと洗い、薄皮を剥きます。
2.【 殻を乾燥 】
カリカリ小梅に使う卵を天日に干す
洗った殻を半日~1日ほど天日で乾かします。
なんでも食べ太郎

Point!

  • オーブンで乾燥させる方法もあります。
3.【 貝殻 】
カリカリ小梅に使うアサリ(貝殻)
料理などに使った後の貝殻を用意します。
4.【 にがり 】
天塩の天日にがり
にがりがあれば、にがりも用意します。
なんでも食べ太郎

Point!

  • 「にがり」の主成分は塩化マグネシウムで、マグネシウムもペクチンと反応します。
  • 商品によっては塩化カルシウムなども含有しています。
5.【 煮詰める 】
カリカリ小梅に使うカルシウム液
梅酢に卵の殻、貝殻、にがりを入れ火にかけ、沸騰したら10分間、煮詰めます。
6.【 ザルで濾す 】
カリカリ小梅に使うカルシウム液
ザルで濾し、貝殻と卵の殻をよけます。
なんでも食べ太郎

Point!

  • カルシウム液の材料の分量は 上の項目 を参照。
7.【 更に濾す 】
カリカリ小梅に使うカルシウム液を濾す
ガーゼなどを使い、更に細かいカスを濾します。
8.【 カルシウム液の完成 】
カリカリ小梅に使う濾したカルシウム液
完成したカルシウム液を冷ましておきます。

市販のカルシウム液でもOK

カリカリ梅の素の最安値をチェック!

パリット漬の素

メーカー:ニチノウ食品

※リンク先は新しいタブで開きます。
※Amazon・楽天市場・Yahoo!ショッピングから最安値をチェックできます。

上記の商品をはじめ、色々なメーカーからカリカリ小梅用の液体が販売されています。

なんでも食べ太郎

Point!

  • 塩化カルシウムなどを主成分とした市販のカルシウム液なら、カルシウム液を作る作業を省力できて便利。

小梅の下処理

9.【 小梅を洗う 】
カリカリ小梅用の小梅を洗う
小梅を流水で洗います。
10.【 アク抜き 】
カリカリ小梅用の小梅を水に浸ける
洗った小梅をたっぷりの水に1時間ほど漬け、アク抜きをします。
11.【 小梅のヘタ 】
カリカリ小梅用の小梅のヘタ
水気を切った小梅のヘタを取ります。
12.【 ヘタを取る 】
カリカリ小梅用の小梅のヘタを取る
小梅のヘタを取った状態。
13.【 容器を用意 】
カリカリ小梅を漬ける道具
漬物容器に漬物袋をかぶせ、漬ける準備をします。
14.【 塩を用意 】
カリカリ小梅用の塩
分量の塩の半量をバットなどに広げます。
なんでも食べ太郎

Point!

  • 塩は2回に分けて使います。
15.【 塩をすり込む 】
カリカリ小梅用の小梅を板ずり
広げた塩の上で小梅をゴリゴリと転がし、塩をすり込みます。
16.【 袋でも 】
カリカリ小梅用の小梅を袋で板ずり
バットではなく、袋などに入れてゴリゴリとすり込んでもOK。

小梅と塩の量

< 18%の塩とその半量 >
小梅の重量18%の塩18%の半量の塩
500g90g45g
1kg180g90g

500gの小梅を漬ける場合、必要な塩は90gになります。それを2回に分けて使うので1回分は45gとなります。

なんでも食べ太郎

Point!

  • 梅に塩をすり込み細胞を傷つけることで、追熟して果肉が柔らかくなってしまうのを止めます。

カルシウム液で小梅を漬ける

17.【 容器に詰める 】
カリカリ小梅を容器で漬ける
梅をゴリゴリした塩ごと、用意していた容器に詰めます。
18.【 カルシウム液を注ぐ 】
カリカリ小梅にカルシウム液を注ぐ
冷ましておいたカルシウム液を注ぎます。
19.【 袋をしばる 】
カルシウム液に漬けた小梅
漬物袋の空気を軽く抜いて口を縛ります。
20.【 重しをする 】
小梅に重しを乗せる
落としぶたをし、その上に重しを乗せ、5日間冷蔵で漬けます。※場所的に無理なら常温でも可。
なんでも食べ太郎

Point!

  • 重しは小梅の2倍の重さのもを使用します。
  • 冷蔵の方が、果肉が柔らかくなるリスクは減ります。

塩を分けて使うことでシワを防ぐ

21.【 塩を撹拌する 】
漬けて5日のカリカリ小梅
1日1回くらい、袋を揺すって塩をよく溶かし撹拌させます。
22.【 塩の追加 】
カリカリ小梅に塩を追加
5日経過したら残り半分の塩を追加し、軽く撹拌して再び5日間漬けます。
なんでも食べ太郎

Point!

  • 一度に全ての量の塩を加えてしまうと、急激な浸透圧の作用で果肉にシワが寄ってしまいます。
  • 2回に分けて浸透圧を緩やかにすることで、これを防ぎます。

カルシウム液を濾す

23.【 白い付着物 】
小梅に付いたカルシウムや塩の膜
塩を追加して5日ほどすれば、もう食べれます。しかしこの時、小梅の表面が白くなっていることがあります。
24.【 カルシウム成分? 】
結晶化したカルシウム液の沈殿物
おそらくカルシウム成分が沈殿したものかと思われます。
25.【 煮沸する 】
カリカリ小梅に使うカルシウム液を煮沸
小梅を取り出したカルシウム液を一度煮沸します。
26.【 濾す 】
カリカリ小梅に使うカルシウム液を濾す
煮沸させたカルシウム液をガーゼなどで濾します。
27.【 濾した液体 】
カリカリ小梅に使う濾したカルシウム液
これで再び綺麗に戻りました。
28.【 保存瓶に移す 】
カリカリ小梅に使うカルシウム液
濾したカルシウム液を冷ましておきます。
29.【 小梅を洗う 】
カリカリ小梅に付いたカルシウムを洗う
小梅の表面に付着したものを洗い落とします。
30.【 水気を取る 】
洗ったカリカリ小梅
洗った小梅の水気を切り、水気を拭き取ります。

カリカリ小梅を赤くする場合

カルシウム液に赤梅酢を混ぜる 赤梅酢を足す
小梅を赤梅酢カルシウム液で漬ける 小梅を漬ける

カリカリ小梅を赤くしたい場合は、カルシウム液を濾した後に赤梅酢を足し、赤カルシウム液にして小梅を漬けていきます。

なんでも食べ太郎

Point!

  • 1週間ほどで小梅が赤く染まります。
  • 赤梅酢は赤紫蘇で作ります。作り方は下記の記事を参照。
「赤梅酢の作り方は?」

完成したら冷蔵保存

自家製のカリカリ小梅 自家製のカリカリ小梅

濾したカルシウム液と、洗った小梅を保存瓶に入れて完成です。保存は冷蔵庫がおすすめです。

なんでも食べ太郎

Point!

  • 冷蔵保存することでシャキッとしたカリカリ感が持続します。
  • 常温保存の場合は、徐々に果肉が柔らかくなり、しんなりとしたカリカリ感になります。

5年冷蔵のカリカリ小梅

5年保存の自家製カリカリ小梅 5年保存の小梅
5年保存の自家製カリカリ小梅(赤) 赤梅酢での小梅

こちらは5年間、冷蔵保存していたカリカリ小梅です。無着色の方が粒が大きいですが、購入時点でのサイズが違っただけでどちらも小梅です。

白い付着物の影響も無くカリカリのままです。

なんでも食べ太郎

Point!

  • 特に腐敗などの変化も無いので、やはり白い付着物はカルシウム成分だと思われます。

シワが寄ったカリカリ小梅

シワが寄ったカリカリ小梅 シワになってしまう
シワが寄ったカリカリ小梅(赤) 赤の方も同じ

遡ること7年前、2年に渡って何袋も小梅を購入して何度もカリカリ小梅を作りましたが、当初はどうしても小梅にシワが寄ってしまいました。

卵の殻を一緒に漬け込むレシピが多いですが、卵の殻を入れただけではカルシウム成分を抽出させるのに時間差があります。そうすると「カルシウム液」の方が即効性があり、最適と言えます。

塩も2回に分けて入れ、浸透圧を緩やかにした方が良いことも分かりました。

なんでも食べ太郎

Point!

  • 色々と試行錯誤した結果、今回ご紹介した方法で、まるっとしたまん丸のままで作ることができました。

カリカリ小梅を楽しむ

色々な料理にも使える

自家製のカリカリ小梅(梅酢&赤梅酢) 自家製のカリカリ小梅(梅酢&赤梅酢)

カリカリ小梅は駄菓子として販売されていることが多いので、おやつとして食べることができますが、その他にも口直しや付け合せとして料理に組み込むこともできます。

カリカリ小梅で作った小梅のおにぎり カリカリ小梅のおにぎり

また、食材としての利用も可能です。ポピュラーなところでは、ご飯に混ぜておむすびにしたカリカリ小梅のおにぎり

帆立稚貝とホヤの梅ご飯 帆立稚貝とホヤの梅ご飯

当然、米には絶対的に合うので、炊き込みご飯や、混ぜご飯、または酢飯なんかに合わせるのもおすすめ。

更にカリカリ小梅自体が塩気が強いので調味料代わりとして味の調整に使うこともできます。

まとめ

コツを押さえれば簡単に作れる

5年ものの自家製カリカリ小梅

カリカリ小梅の漬け方は、コツさえ押さえておけばシワが寄らずにまるっとしたまま作ることができます。

ということで、私が色々と試した結果、獲得した方法を今回はご紹介しました。

カリッとした食感と味が、どこか懐かしさを覚えるカリカリ小梅、みなさんも自家製で手作りしてみてはいかがですか?
( o・ω・) ノ

なんでも食べ太郎

まとめのPoint!

  • 未熟な青い小梅を使う
  • カルシウム液を使う
  • 塩を2回に分けて使う

関連記事