初夏から夏が旬の「海鞘(ホヤ)」!
ホヤは独特の味が苦手という方も多いですが、新鮮なホヤを食べてみて下さい。甘味とほろ苦さ、そして爽やかな風味!
ホヤに対するそれまでの固定概念が覆る美味しさを味わえます。Σ(ノ≧ڡ≦)
そんな新鮮なホヤを食べるならば、殻付きのホヤを購入して自分で捌くのが一番です。ということで、殻付きホヤの捌き方や保存方法、お刺身の造り方などを図解で分かりやすく解説していきますよ~♪
ホヤを捌く前の役立つ情報
ホヤの2つの突起物は?
それでは、まずはホヤをさばく前に知っておくと役立つ情報をお伝えしていきます。
(-ω☆) キラーン
一般に流通しているホヤは上の画像の「マボヤ」です。
少量ながら「アカボヤ」も出回りますが、このアカボヤはツルンとしたビジュアルをしています。対してマボヤにはご覧のようなデコボコした突起物があります。
そして上部に特に大きな2つの突起物があります。この2つの突起物はそれぞれ入水管と出水管です。
アサリなんかにもカタツムリの目のような2つの突起物がありますが、あれも入水管と出水管です。これは餌や海水の入り口・出口となる管です。
アカボヤの入水管と出水管
前述したように、アカボヤはツルンとしたフォルムをしていますが、マボヤと同じ様に入水管と出水管があり、この2つの突起物がシルエット的には動物キャラクターの耳のような雰囲気を醸し出しています。また、アカボヤは、マボヤに比べると流通量は少ないですが、味的にはマボヤよりもクセが少なく食べやすいとされています。
ホヤの入水孔と出水孔
さて、例に出したアサリなんかは入水管と出水管を気にすることはありませんが、ホヤをさばく場合は入水管と出水管の違いを知っておくと便利です。
覚え方は簡単です。
上の画像を見て下さい。入水管の口の部分となる入水孔は「+」プラスの形をしています。
次に出水管の口の部分となる出水孔は「-」マイナスの形をしています。
ホヤのこの入水孔と出水孔を見分けることが、ホヤをさばく際に役に立つんです。
プラスが口(入水孔)
マイナスがお尻(出水孔)
※個体によっては見分けにくいこともあります。
殻付きのホヤのさばき方
入水孔と出水孔を切り落とす
Point!
- 洗い辛い場合はタワシなどを使って洗いましょう。
- 出水孔を切り落とすと「ホヤ水」があふれ出てきます。
Point!
- 「ホヤ水」はホヤが体内に取り込んだ海水や体液です。
- ホヤ水は色々と使えるのでボールに取っておきますが、不要な場合は破棄して下さい。
ホヤの身を殻から取り出す
Point!
- 上の様に殻ごと切ってもOKなので、殻を切り開く際に身が切れてしまっても大丈夫です。
Point!
- 身の掃除方法の詳細は 下の項目 へ。
Point!
- ホヤの身はホヤ水で洗うと風味が損なわれません。
- ホヤ水を調理などに使う場合は身を洗う分とは別でとっておきます。
- ホヤ水は刺身や料理に使えます。保存方法は 下の項目 へ。
ホヤの身の取り出し方・その2
Point!
- 入水孔・出水孔を切らずに、根本を切って根本からホヤ水をドバドバっと出す方法もあります。
Point!
- この方法だと身を切り開かずにさばくことができます。
- 身は袋状のままなので中に具を詰めたりなど利用できます。
ホヤの内臓を除去してキレイにする
Point!
- 排泄物やその他の内臓も取り除きましょう。
- 肝膵臓は、いわゆるワタですので、お好みで食べてもOKです。
ホヤ水の利用と注意点
ホヤ水は海の香りとホヤの旨味がある体液(海水)です。
ホヤの身を洗ったり、刺身で食す際に醤油代わりにしたり、その他の調理で出汁に利用することもできますので、ボールで受け止めてとっておきます。
Point!
- 体液ということで細菌も存在しますので、お腹の弱い方や調子が悪い方、高齢者やお子様などは避けた方が良いでしょう。
- 翌日まで取っておくとすぐに黒ずんできますので当日中に使うか、火を通してから冷蔵保存しておきましょう。
刺身でのホヤの食べ方
まずはホヤ刺身を食べてみよう
ホヤは蒸したり焼いたり、その他様々な調理法で食べることができますが、ホヤ好きにはたまらない一品が「刺身」です。Σd(・ω・´)
グッ!!
ということで、ホヤの刺身を殻に盛り付ける際の解説をしていきますよ~♪
ホヤ刺身を盛り付ける手順
Point!
- 根っこの付け根の隙間にも泥がたまっているのでよく洗いましょう。
殻の盛り付けへの使い方
殻を根っこごと盛り付けに使えば野趣あふれる感じになります。また、根を切り落せば小綺麗でスッキリした盛り付けにできます。お好みで使い分けましょう。
同じ様に、殻をそのまま使っても良いですし、ゆがいてやれば真っ赤になりますので、これも盛り付けの方向性によってお好みで。
ホヤ刺身を実食する!
さて、それではお酒のお供にぴったりなホヤ刺身を食べましょう!(*´艸`)。o○
ホヤが敬遠されるのは、その独特の匂いや苦味などですよね。しかし自分でさばいた、さばき立ての新鮮なホヤは爽やかな風味がめっちゃ美味しい全くの別物であります。
プリプリした身は心地よい歯ごたえで、貝類の刺身ともよく似た食感。とくに大振りな立派なホヤの肉厚な身はたまらない美味しさでヤバイです!!σ(~~~、)
ムシャ ムシャ
肝は(肝膵臓)正直言って一般向けではありません。かなりエグみがあるのでお好みでどうぞ・・・。(;^△^)
打って変わって万人受けするのが通称「ホヤヘソ」と呼ばれる部分。
プリプリした身の部分とはまた違う、プルルンって感じの食感で味もクセがなく、ホヤが苦手な人でも食べれるんじゃないかという美味しさです!
自分でホヤをさばいた際には、是非このヘソの部分を味わってみて下さい。
ホヤの冷蔵保存と冷凍保存
冷蔵でのホヤの保存の仕方
ホヤを冷蔵で保存する場合は殻付きのままなら殻を流水で洗い、できれば3.5%の塩水に浸けておきます。2~3日は冷蔵保存できます。
殻を外して身だけにした場合は、ラップなどで包み保存袋に密封して冷蔵で1~2日。それ以降は冷凍しておきましょう。
Point!
- 殻付きホヤが萎びてしまった場合も、塩水に浸けておけばパンパンに膨らみます。
冷凍でのホヤの保存の仕方
冷凍保存する場合は、殻を外して内臓を取り除き、身だけにしたホヤをホヤ水に浸けて保存袋に入れ冷凍します。だいたい1ヶ月を目安に食べきりましょう。
Point!
- 実験した結果、ホヤ水に浸けて冷凍した方が色持ちが良かったです。
ホヤの冷凍保存を実験してみた
ホヤ水に浸けて冷凍した方が良いのか?
ホヤを冷凍で保存する場合、魚屋さんのHPなどを見ても、お店によってホヤ水に浸けて冷凍だったり、何も入れずにそのまま冷凍だったり、情報がまちまちだったので、それぞれの方法で冷凍してみました。
上の保存袋がホヤの身だけで冷凍したもの。下の保存袋がホヤ水と共に冷凍したものです。
こちらが解凍したホヤの身の内側(内蔵側)です。
左がそのまま冷凍したホヤ、右がホヤ水に浸けて冷凍したホヤ。
大差はありませんが、そのまま冷凍した方が少し変色度合いが強い感じですね。(σロ-ロ)
ホホウ…
こちらはホヤの身の表側(外側)です。
同じく左がそのまま冷凍、右がホヤ水で冷凍。やはりそこまでの大差はありませんが、左のそのままで冷凍したものの方が黒ずんでいる感じがします。
ということで、冷凍する場合はホヤ水に浸けて冷凍した方が良いという結論に至りました。(`・ω・´)ゞ
ホヤの冷凍による変色度合いの実験
続いては、冷凍することでの変色度合いを見ていこうと思います。
上の画像は冷凍での保存期間をズラして保存したものです。上の袋は3日間、下の袋は10日間、それぞれ冷凍しました。
3日目の方は、まだホヤ水がキレイな色をしています。10日目の方はだいず黒ずんでいます。特に解凍してみると一目瞭然。
10日目の方は、何やら沈殿物のようなものが黒く浮き出てきていました。
そしてそれぞれれ解凍したホヤの身です。
10日目の方(左)は黒ずんで変色してきていますが、3日目の方(右)はまだそこまでの変色はしていません。これならまだお刺身にしてもキレイな感じですね。
ということで、色合いが大事になる料理に使う場合は、冷凍3日目くらいまでのものが良いと思います。
まとめ
新鮮なホヤを食べて今日からあなたもホヤ好きに!
比較的多くの方が苦手とするホヤ。しかしそれは鮮度の悪いものを食べているからという理由が大半を占めると思います。新鮮なホヤは本当に美味しいんです!
もちろん独特の味であることは確かではありますが、それでもやはり新鮮なものは美味しいです。
この夏は是非、新鮮なホヤを自分でさばいて、その美味しさに開眼してみてはいかがでしょうか?特にお酒好きな方にはおすすめしますよ♪╭(๑•̀ㅂ•́)و
まとめのPoint!
- 入水孔は「+」
- 出水孔は「-」
- 入水孔を先に切る
- ホヤ水は利用価値がある