毎年「梅干しを作ってみたいなあ」と思いながらも、何となく「面倒臭そうだし…」と、ついつい先延ばしにしてしまっている方。
今年こそ「自家製梅干し」に挑戦してみましょう!
m9っ`Д´)ビシィッ!
確かに手間はかかりますが、複雑な工程は無いので意外と簡単に作ることができます。更に今回ご紹介する方法なら、カビたり失敗したりなんて心配も無く梅干しを作れます♪
という事で、その工程を図解で分かりやすく詳細に解説していきます。
梅仕事の情報 1/6頁
[1頁] 失敗しない梅干しの作り方
[5頁] 梅シロップの作り方-coming soon-
1頁目の概要
- 梅干し作りの道具や手順を分かりやすく解説。
梅干し作りの用意
梅干し作りの概要を把握
まずは梅干し作りをはじめる前に、用意する材料、そして道具、または作り方の流れなど、梅干し作りの概要を把握しておきましょう。
Point!
- 長いスパンで作っていくことになるので、全体を把握して頭に入れておくことで用意や作業もスムーズに進みます。
梅干しの材料
- 生梅
- 赤紫蘇
- 塩
- 砂糖
梅干し作りに使うのは当然「生梅」です。
「紀州南高梅」などの生梅はシーズンになると店頭に並びますよね。東京では群馬産などもよく見かけます。ちなみに小さなサイズの小梅でも漬けることができます。
そして梅を赤くするのに欠かせないのは「赤紫蘇の色素」です。
Point!
- 一般的には塩だけ使いますが、砂糖も併せることでより浸透圧が上がり、カビが発生しにくくなります。
- 塩だけの梅干しほど塩っ辛くならず、砂糖のコクも加わります。
梅干し作りの道具
- 漬物容器
- 押し蓋
- 重し
- 漬物袋
- 干しかご・ざる
梅干し作りに使う容器は、酸性に強いホーロー製のものやガラス製のものを使いましょう。高価ですが陶器も良いですね。また、プラスチック製なら安価で購入できます。
Point!
- 漬物袋が無くとも梅干しは作れますが、漬物袋があると梅酢を上げる作業が楽になるので用意しておくのがおすすめです。
梅干し作りでは天日に晒す「土用干し」の工程が必須です。その際に必要になるのが「梅干しざる」です。
ホームセンターなどには直径60cm、80cm、1m等々といった専用の大きなザルが売っています。
Point!
- 梅干しざるは仕舞う場所に困るので私は「干しかご」を使っています。
専用の道具が無くとも大丈夫!
梅干しざるの代わりに干しかごを使うように、専用の道具が無い場合も台所にあるもので代用できます。
例えば、上の画像の左端は漬物容器ですが、その隣は蒸し鍋で梅干しを漬けています。また、右の画像は小梅を漬けているところですが、これは普通のボウルです。
Point!
- 漬け終わった後は小分けしてガラス瓶に移し替えています。
また、押し蓋の代わりになるのが底が平らな皿です。重しの代わりは、水を入れたペットボトルや空き容器で重しをかければOKです。
漬物袋も、やろうと思えば家庭用ゴミ袋で代用可能ですが、耐久性が全く違うことを頭に入れておきましょう。
Point!
- ゴミ袋は塩と酸の影響で梅酢が漏れてきてしまいます。
- 漏れても差し障りはないので、気にしないならそれでOK。
梅干し作りのスケジュール
6月半ば~後半
生梅を購入し追熟させる。
梅を洗ったり選別したりの下処理。
塩と砂糖で漬け込む。
塩と砂糖によく馴染ませ梅酢を上げる。
6月後半~7月前半
赤紫蘇で赤紫蘇漬けと赤梅酢を作る。
赤梅酢と赤紫蘇漬けで梅を漬ける。
7月後半~8月前半
天日に晒し土用干しをする。
梅を取り込んで保存。
※スケジュールは目安です。その年の梅の出荷時期、使う梅の産地などによります。
Start!
- それでは以下からは、梅干し作りの詳細をご紹介していきます!
梅干し作りの下準備
梅を追熟させる(1~3日)
まずは梅干し作りの下準備をはじめましょう。
買ってきた梅の状態によって梅を追熟させます。上の画像の左側の梅の様にまだ青みがかっていた場合は、1日~3日くらい置いておき追熟させます。
追熟させると画像真ん中の梅の様に少しずつ黄色みがかってきて、更に右側の梅の様に黄色~赤みがかって熟してきます。その頃になると梅の良い香りが漂ってきます。
Point!
- 梅を買ってきて封を閉じたまま放置すると蒸れてしまいます。
- 開封してザルや新聞紙に広げて追熟させましょう。
生梅の下処理をする
Point!
- レシピによっては完全に水気を拭き取りますが、軽く水切りするだけでOKです。
Point!
- ヘタはそのまま残しておいても、漬ける過程で自然と落ちます。
- 気になる方は、爪楊枝などを使ってヘタを取り除くと良いでしょう。
Point!
- いつも少しくらいの傷モノは使っていますが特に問題はありません。
- 心配だという方は、迷ったものは破棄しておくと良いでしょう。
塩と砂糖を用意する
- 塩:梅の重量の18%
- 砂糖:塩の重量の20%
塩と砂糖の分量の割合は、NHKきょうの料理などの講師を務めた爲後善光先生の分量を参考にしています。
Point!
- 粗塩のミネラル成分、三温糖のコクといった点から「粗塩&三温糖」が、私のおすすめです。
塩と砂糖の分量の目安一覧
以下の表は梅の重量に対する塩と砂糖の分量です。ご自身が使う「梅の量」での「塩と砂糖の分量」の参考にして下さい。
< 梅に対する塩と砂糖の分量 > | ||
---|---|---|
梅 | 塩 | 砂糖 |
1 kg | 180 g | 36 g |
2 kg | 360 g | 72 g |
3 kg | 540 g | 108 g |
4 kg | 720 g | 144 g |
Point!
- スーパーなどに流通している梅は、1袋で1kgのものが多いです。
梅を漬けていく
漬け込み1回目(約1周間)
Point!
- 適度に濡れた状態の方が塩と砂糖がよく絡まります。
- この水濡れ状態の方法でもカビたことはありません。
Point!
- 真空にする必要はないので、普通に空気を抜く程度で大丈夫です。
Point!
- 重しの重量は「梅の重量の倍」程度のものを目安にしましょう。
梅酢を上げる作業
Point!
- 漬物袋を使うことでこの作業の管理が楽になります。
- 袋の上下を返した後は再び押し蓋と重しをして下さい。
Point!
- 上がった梅酢はこの後の工程で、梅干しを赤くするために使います。
赤梅酢で梅を漬けて干す
赤紫蘇漬けと赤梅酢を用意
それでは、ここから梅干し作りの第2段階に入りますが、まずは梅干し作りには欠かせない「赤紫蘇漬け」と「赤梅酢」を作りましょう。
この赤紫蘇漬けと赤梅酢を梅と一緒に漬け込むことで梅干しが綺麗な赤色に染まります。
Point!
- 上記の記事を参照して赤紫蘇漬けと赤梅酢を用意して下さい。
漬け込み2回目(3~4週間)
Point!
- 赤紫蘇は、赤梅酢の水面から飛び出さないように液中に漬けます。
- 外気に触れる部分が多いとカビの原因となります。
- と言っても神経質にならず、上の画像の浸り具合くらいでOKです。
梅を土用干しする(3日)
Point!
- 1日ごとに夜は取り込む方法もありますが、3日3晩干したままでOK。
- 昼夜の気温差と夜露によって美味しくなるという説を採用しています。
- 雨が振りそうな時は一度取り込み、晴れたら干して下さい。
Point!
- 面倒ですが、赤紫蘇はできるだけ広げた方が上手く乾燥します。
- 赤梅酢は煮沸消毒するという方法もあります。
土用干しとは?
土用干しの「土用」とは、中国の五行に基づいた季節が移り変わる期間に当てられた暦。鰻を食べる「土用の丑の日」の「土用」と同じです。四季それぞれに土用がありますが、土用干しや、土用の丑の日の「土用」は、「夏」の土用(立秋の前の18日間)を指します。これがつまり7月後半~8月前半にあたり、晴天が続くこの時期に梅を天日に晒して干すことを「土用干し」と言います。
取り込んで保存して完成!
常温で通年保存できる
3日3晩の土用干しを経たら梅を取り込み、取り込んだ梅を清潔な容器に保存すれば完成です!
(。◕ ∀ ◕。)デキタ~!
梅の保存は以下の二通りの方法があります。
- 梅だけで保存する
- 再び赤梅酢に漬けて保存
こちらが本来の「梅干し」。赤梅酢は調理や他の漬物に利用。
正確には「梅干し漬け」と呼ばれる。私はこちらの方法にしています。
Point!
- 上の画像は1年間、常温で居間に置いた梅ですがカビの発生も無し!
- 食べ切るまでに2年以上かかりましたが、ずっと常温でも平気でした。
土用干し後は赤紫蘇漬けを別に
赤紫蘇漬けは、入れっぱなしにしておくと梅が黒ずむ原因となるので土用干し後の保存容器には入れません。
粉末にして自家製「ゆかり」にしたり、そのまま漬物として楽しみましょう♪
Point!
- 赤紫蘇漬けを梅と一緒に入れたままという方法もあるので、お好みで。
自家製梅干しが大活躍!
梅干しと言えばご飯の友のテッパン!白飯に合います!
更に塩と砂糖でコクのある味に漬け込んでいるので、ただお湯を注ぐだけでも風味が付きお茶漬け風になります。二日酔いの朝にもバッチリすっきり!
また、梅干しと言えば「おにぎり」も外せません! 自家製ならではの贅沢な美味しさを味わえます。
(●´ڡ`●)
そしてご飯だけではなくお酒にも合いますよね。お湯割りにしても良し、炭酸を使ってサワーにしても良し、ロックやストレートに落としても良し!
特に家に友達を招いて宅呑み会なんかする時には、自家製の梅干しを出せば、みんな大喜びすると思いますよ~♪
(*≧∀≦*)
その他の梅干しの作り方
昔ながらの白干梅
上の画像の梅干しは、一般的な梅干しとは違います。
「え?普通の梅干しじゃないの?」
と思われるかもしれませんが、実はこちらの梅干しは、よく見ると赤くないんです。そう、赤紫蘇を使わずに仕上げた昔ながらの「白干梅」です。
白干梅の作り方
横からの画像でお分かりの通り、赤梅酢ではなくただの梅酢に漬けています。
作り方は梅を漬ける際に「赤紫蘇漬けと赤梅酢」を「ただの透明な梅酢」に置き換えただけで、他の工程は同じです
Point!
- 画像の白干梅は常温で2年間保存しているものです。
- 本来は土用干し後は梅酢に戻さず梅だけで保存します。
小梅を使った梅干し
小さな小梅を使って梅干しを作ることもできます。
作り方としては、普通の梅干しと完全に同じです。ただ小さな小梅を使っているというだけ。
小梅の梅干しの作り方
熟した小梅に塩と砂糖をまぶして梅酢を上げ、赤梅酢に漬け、その後に3日3晩の土用干しをして取り込んだら常温で保存できます。
Point!
- 普通サイズの梅干しは量が多いという方に小梅サイズがおすすめ。
- プチおにぎりなどの具にもちょうど良いです。
まとめ
自家製の梅干しでご飯もお酒も楽しむ
市販されている梅干しは、調味液などに漬けて短期間で仕上げた「梅干し風」の梅干しであることが多く、冷蔵での保存が基本となりますが、自分で梅干しを作れば昔ながらの保存食である梅干しを作ることができます。
手作りの分だけ、スーパーで買ってくるより手間暇はかかりますが、しっかりと作り込んだ梅干しは贅沢な味わい。更に自分で作った愛情もあるので、より一層美味しく感じる筈です。
そんな梅干しでご飯やお酒を味わえば、いつもよりもきっと楽しい時間になることは請け合いですよ!
( o・ω・) ノ♪
まとめのPoint!
- 道具は工夫次第で代用できる
- 砂糖を使ってコクをプラス
- 手作りなら常温保存が可能
【カリカリ小梅の作り方】上手にまんまるに漬けるコツを解説