今回はお酒好きな方にはたまらない一品「卵黄の味噌漬け」のレシピをご紹介します!味噌だけではなく、昆布・椎茸・鰹節の出汁を利かせているところがミソです(味噌漬けだけにw)
また、まん丸の球体の形で卵黄を味噌漬けにする方法や、味噌がもったいないという場合のコスパの良い作り方、そしてかの海原雄山氏のレシピも紹介。
更に漬ける日数による卵黄の変化も画像でご紹介と、盛りだくさんにお届けしていきますよ~♪
(σゝ∀・)σ
卵黄味噌漬けのレシピ
記事の概要
- 卵黄味噌漬けの作り方、消費期限、味噌の再利用など紹介。
卵黄味噌漬けを作る準備
用意する材料(10個分)
・卵黄 | 10個分 |
---|---|
・信州味噌 | 400g |
・赤味噌 | 50g |
・白味噌 | 40g |
・麦麹味噌 | 100g |
・コチュジャン | 小さじ1/2 |
・豆鼓(豆鼓醤でも) | 10g |
・出汁用昆布 | 1片(1g) |
---|---|
・干し椎茸 | 1個(2g) |
・鰹節 | 15g |
・料理酒 | 大さじ1.5 |
・みりん | 大さじ1 |
・水 | 100ml |
Point!
- 10個でのレシピになっていますが、1個~作れますので、その際の分量は適宜調整して下さい。
- 約3日
漬け込み時間込みで3日。純粋な調理時間は10分前後です。
※各見出しに記載の時間は、その工程に要する時間の目安です。
味噌はお好みで試そう
材料に数種の味噌を記載しましたが、一種類の味噌だけでも作ることはできます。逆に言えば、自分好みの味噌をブレンドして作ることもできます。
ちなみに私が選んだ味噌の基準を載せておきますので、一例としてご参考にどうぞ。
- 信州味噌 400g
- 麦麹味噌 100g
- 赤味噌 50g
- 白味噌 40g
- コチュジャン 小さじ1/2
- 豆鼓 10g
さっぱりとした辛口の信州味噌をベースに。
麦麹の香りをプラス。米麹より吸水率が高いので卵黄の脱水率を高める。
長期熟成で作られる赤味噌のコクをプラス。
麹の糖分が強い白味噌の甘みをプラス。
コチュジャンの唐辛子の辛味を隠し味的に少し。
豆鼓の旨味とコクをプラス。
Point!
- 下の項目 で紹介している「美味しんぼ」の海原雄山の材料も参考になります。
卵黄味噌漬けを作る
合わせ出汁を取る(半日~)
Point!
- 梅雨時や夏場は冷蔵庫で保管しましょう。
Point!
- 一般的には鰹節を絞ると苦味が出てしまいますが、水分が少量しかないことも踏まえて敢えて絞り出し、苦味も込みで旨味を絞り出します。
出汁で旨味ダレを作る(3分)
Point!
- 豆鼓醤を使う場合は料理酒とみりんだけ加えて火にかけます。
豆鼓を洗うのは何故?
豆鼓を使うレシピでは、「豆鼓を洗う」という工程が含まれていることが多いと思いますが、これは豆鼓を作る製造過程の干す工程において、砂やホコリが付着するためです。日本の有名メーカーなどの製品なら予めそういったものは処理してあるので洗う工程は不要です。現地メーカーの製品は洗った方が良いでしょう。カレーに使うホールスパイスなども現地メーカーの製品は砂などが混ざっていた経験があります。
卵黄用の味噌床を作る(3分)
Point!
- 豆鼓醤を使う場合は、ここで一緒に混ぜ合わせます。
卵黄を味噌床に漬ける
Point!
- 卵の殻やスプーンを使い、卵黄を分けることもできますが、黄身分け器(エッグセパレーター)があると簡単です。百均でも売っています。
カラザとは?
卵の黄身を中央に固定するスプリングの様な働きをするのが「カラザ」です。口当たりは良くないので、そのまま破棄しても良いですが、実はカラザは栄養が豊富な部位なので、余った卵白と一緒にしておき、調理に使うのがおすすめです。
味噌床で寝かせる(3日~)
味噌床に卵黄を置き、凹みに収めたら、ここから味噌床に漬けて寝かせていく工程に入ります。
Point!
- 上に乗せる味噌は料理酒を少量(分量外)加え、少しゆるめにすると作業しやすくなります。
3日目頃からが食べごろ
こちらは3日間、味噌床に漬けていた卵黄です。
1日目からでも卵黄味噌漬けとして食べることができますが、3日目くらいからが色も綺麗に透き通り、食感や味も食べごろになっています。
卵黄味噌漬けの実食と応用
見栄えも味も良い逸品
それでは早速、実食してみましょう~♪
(๑¯﹃¯๑)
卵黄の上に金箔を乗せ、笹の葉をあしらいにし、祝い鶴で飾ってみました。
卵黄が味噌によって脱水されて旨味が凝縮し、出汁や味噌の旨味も加わって、ねっとりとした濃厚な味わいを楽しめます♪
酒の肴になることはもちろん、白飯にも合います。一度食べれば病みつきになること間違いなしの美味しさ!!
漬け具合と卵黄の変化
上の画像は、右から1日漬けた卵黄、3日漬けた卵黄、5日漬けた卵黄です。
- 1日目
- 3日目
- 5日目
●まだオレンジ色
●サイズも大きい
●ほぼ透き通っている
●凝縮して縮んだ感じ
●透き通り具合が進んでいる
●べっこうのような艶と輝き
1日目の卵黄味噌漬け
1日しか経っていないのでまだ水分も多く柔らかく、箸で持つと形は崩れます。しかし水分が多い分だけジューシーなので、ご飯に乗っけて食べるには良い感じと言えます。
3日目の卵黄味噌漬け
だいぶ凝縮して固さも出てきました。もう箸で持っても崩れません。ほどよく味が濃縮され、水分もそれなりにあり、ご飯にもお酒にも合う万能タイプが3日目くらいの漬け具合。
5日目の卵黄味噌漬け
5日も経つと色艶と輝きが増し、ヴィジュアル的には一番美しいと個人的には感じます。食感はカラスミに近く、珍味感が増しており、酒の肴には最も良いかと思います。
Point!
- ご飯メインかお酒メインか、またはお好みによって漬け具合を変えてみると面白いですよ。
卵黄味噌漬けの消費期限は?
卵黄味噌漬けの消費期限ですが、味噌床に漬けた状態で
1週間程度は保ちます。
食べ頃となる3日程度なら問題はありません。それでも、もし心配だという場合は加熱して食べましょう。
Point!
- 1週間漬けた卵黄味噌漬けを何度も食べていますが、特にお腹をこわした、当たったということはありません。
※ 卵自体の鮮度、味噌床の塩分濃度なども関係するので飽くまでも参考値となります。
上の画像は右が普通の卵黄を加熱したもの、左が卵黄味噌漬けを加熱したものです。
卵黄味噌漬けは加熱した場合でも色も形も綺麗です。
加熱したとして、重要なのはその味ですが・・・、
これはこれで旨い!
。≠( ̄~ ̄ )フム
右の普通の卵黄は、ただの茹で卵の黄身ですが、卵黄味噌漬けをボイルしたものは、もちろん味も付いていて食感はモチモチで良い感じです。
Point!
- 卵黄味噌漬けを加熱して食材として使うのも有りかと思いました。
味噌床は何回使える?
一度、卵黄味噌漬けを作った後の味噌を何回使えるか?ですが・・・、
2回は使えます。
※ 卵、味噌床の管理状態にもよるので飽くまでも参考値となります。
上の画像は一度味噌漬けを作った味噌床で、再度漬けている様子です。卵黄の水分で多少はゆるくなっていますが、1回目と同様に漬けることができます。
3回目にもなると卵黄の水分で味噌床がゆるくなり薄まることで、卵黄の水分の抜け具合、透明化が遅くなります。
Point!
- 卵黄から出た水分も含まれているため、3回目以降は 下記 を参考に早めに使い切ってしまいましょう。
卵黄味噌漬けその他の作り方
球体の卵黄味噌漬けを作る方法
ここまでご紹介した卵黄味噌漬けの形は「扁平」でしたが、上の画像のものは球体で「まん丸」です。
(*’◇’*ノ)ノ オォゥ!?
さて、どうやってこんな球体の卵黄にできるのか?
その秘訣は生卵を「冷凍」するだけです。それでは詳しく作り方を見ていきましょう。
Point!
- 殻が剥きにくい場合は、流水に当てながらだと剥きやすくなります。
Point!
- サルモネラ菌汚染の観点から冷蔵庫内で解凍しましょう。
- 詳細は 下記 を参照。
卵黄は冷凍することでタンパク質が結びつき固まる性質があります。上の画像のように手でつかめる固さになりモチモチになります。
この状態の卵黄を味噌漬けにし、冷蔵庫に入れておきます。
Point!
- サルモネラ菌汚染の観点から漬ける期間は3日以内にしましょう。
- 詳細は 下記 を参照。
こちらの画像が通常で作った卵黄味噌漬けと、冷凍後の卵黄を使った味噌漬けの比較です。
冷凍後に漬けた右の卵黄は球体であることが確認できますよね。個人的には通常の扁平な形の方が風情を感じるので好みですが、お好みで球体の味噌漬けを作ってみるのも良いと思います。
冷凍卵の危険性と注意点
数年前に流行した「冷凍卵」ですが、同時に下記のような内容で「食中毒の危険性」も取り沙汰されました。
1.卵液が凍結し膨張する
2.卵液の膨張により卵の殻が割れる
3.殻にサルモネラ菌が付着していた場合
4.割れた箇所から中身が汚染される
5.常温で解凍することで菌が増殖する
6.菌が増殖した卵を食べ食中毒になる
上記を踏まえ・・・、
まず、出荷された卵がサルモネラ菌に汚染されている確率は0.0029%※(1)とされています。次に、サルモネラ菌は「-15℃以下」で増殖は停止、「10℃以下」で増殖は遅延します。※(2)
・・・ということで、
- 冷凍後は冷蔵で管理する
- 漬け期間は短めにする
注意点!
- 冷凍卵を使用する際はご自身の責任において、取り扱いに十分に注意してご使用ください。
味噌の使用量を抑えた作り方
卵黄の味噌漬けを作ってみたいけど、大量に味噌を使うのが何か気にかかる、躊躇してしまう・・・、なんて方もいらっしゃると思います。
そんな方におすすめなのが味噌を節約した作り方です!
卵黄を1個ずつ漬ける方法
1.卵黄より一回り大きい器を用意
2.器にラップを敷き、上に味噌を詰める
3.その上にガーゼを敷いて卵黄を乗せる
4.卵黄にガーゼを被せ、味噌を乗せる
5.ラップで包み冷蔵保存する
タッパーなどの容器全体に味噌床を敷き詰める方法に比べ、卵黄1個ずつで漬ける個包装での方法は、味噌の使用量をかなり節約することができます。
出汁の分量を多くする漬け方
味噌に対して出汁の分量を多くし、味噌床をゆるめに作ります。そこに卵黄を直接トポンと落とし、漬け込みます。
味噌漬けではなく、卵黄の「醤油」漬けもありますが、その場合の醤油に漬けるのと同じ要領という訳です。このように出汁を多く使うことで味噌の使用量を減らすことができます。
Point!
- 通常の味噌漬けより柔らかめで仕上がります。
海原雄山の至高のレシピ
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さて、私が初めて「卵黄味噌漬け」という存在に出会ったのは、はるか昔の学生時代に読んだ「美味しんぼ」の15巻で海原雄山氏が披露したものでした。
ということで、本棚から美味しんぼの15巻を引っ張り出して、海原雄山氏の卵黄味噌漬けのレシピもここでご紹介しておきたいと思います。
【お断り】
昨今のネット社会における真偽不明の情報の正確性を客観的に裏付ける為に、「美味しんぼ」作中で紹介されたレシピを正確に伝える手段として、「引用」という形で実際の漫画のコマを使用させて頂きました。
東西新聞の「究極のメニュー」と、帝都新聞の「至高のメニュー」が、「卵を使った前菜料理」で対決した際に、至高側の海原雄山氏が出してきたメニューが「卵の黄身の味噌づけ」。
Point!
- 主人公である山岡さんと相棒の栗田さんが驚愕するほどの味。果たして雄山氏がどんな材料で作ったのか詳しく見ていきましょう。
- 赤味噌
- 白味噌
大豆は富山の「艶麗(エンレイ)」。2年仕込みの味噌。
大豆は秋田の「白千成(シロセンナリ)」。
Point!
- 味噌は、赤味噌をベースに白味噌も使い、大豆の品種や味噌の仕込み年数にもこだわっています。
- 無農薬栽培の大豆
農薬、除草剤を使わずに栽培した大豆であること。
Point!
- しかも、ただ味噌の品種にこだわるだけではなく、その原料となる大豆の栽培環境にもこだわり抜いています。
- 鶏の品種「後藤130」
- 卵「初卵」
屋外の自然環境で飼育。餌はくず米、麦、米ぬかが主体。
ヒヨコが育ち、成熟して初めて産んだ卵。
Point!
- 「屋外の自然な環境で飼育」というセリフから、昔ながらの「放し飼い」で飼育された鶏であると考えられます。
「平飼い」と「放し飼い」
多くの養鶏場では鶏一羽一羽をケージで仕切った「ケージ飼い」で鶏が育てられています。これに対して、ゲージを設けずに鶏舎内で鶏が自由な状態で育てられているのが「平飼い」です。更に屋外の広い敷地内で鶏が自由に動けるように育てられているのが、昔ながらの「放し飼い」です。
Point!
- 雄山氏が使用した初卵に対して、迷信だよっ!と噛み付いた山岡さんですが、雄山氏が真に意図していたことに気付きます。
初卵とは?
「初卵(ういらん・はつたまご)」とは、文字通りにその鶏が初めて産んだ卵です。雄山氏が言うように、ヒヨコの時から蓄積してきた栄養が凝縮されている説などから珍重され、地域によっては縁起物として贈答用にも好まれています。ただ、広義には卵を産みはじめて3~4週間の間に産んだ卵も「初卵」として販売されており、雄山氏が使用した純粋に初めて産んだ卵だけが「初卵」として流通しているわけではありません。
- 初卵そのものが大事なのではなく、注意深く大事に、健康であるように、見守られ育てられてきた鶏が産んだ卵ならば、それは素晴らしい卵である、ということ。
さすが美食倶楽部を主催する海原雄山先生です。美味しいもの好きで食いしん坊な私としても全く同じ材料で作ってみたいと思ったのですが・・・、
結果は・・・
全く同じものを作るのは難しい
同じ材料を見つけるのは無理でした・・・。
(TдT) トホホ
- 無農薬栽培の艶麗を使った2年仕込みの赤味噌
- 無農薬栽培の白千成を使った白味噌
- 放し飼いされた後藤130
- 後藤130の初卵
艶麗を使った2年仕込みの赤味噌は販売していましたが、無農薬との記載があるものは見つかりませんでした。
「中千成」を使った味噌はありましたが、白千成で作った味噌は見つかりませんでした。
平飼い(または運動場あり)の後藤130の卵自体は販売していました。完全なる放し飼いの後藤130の卵は見つけられませんでした。
後藤130以外の他の品種の初卵は販売していました。また、ほとんどは広義の意味(3~4週の間に産んだもの)での初卵でした。
やはり海原雄山氏レベルの立場にないと、同じ材料を集めるのは難しいのかもしれません。
しかし近い材料のものを使えば、至高のメニューに近い味の卵黄味噌漬けが作れると思いますので、挑戦してみたい方は挑戦してみてはいかがでしょう!
お願い
- もし、ここでなら買えるよ、なんて情報をお持ちの方がいらっしゃいましたら、Twitter 等でご教授頂ければ幸いでございます。
残った卵白と味噌の利用方法
余った卵白の利用例
卵黄味噌漬けでは、その名の通り「卵黄」のみを使用するので、「卵白」は余ります。特に飲み会用にたくさん作った場合は、卵白も大量に余るので消費が大変ですよね。
(^∇^;)
左の画像は卵白で作った「白いだし巻きたまご」です。色味のアクセントに大葉を巻いて「緑」を差しています。卵黄味噌漬けと一緒に飲み会のメニューに使えます。
右はメレンゲにした卵白、ヨーグルト、梅ジャムで作ったシャーベットです。香り付けにバニラエッセンスを少し垂らしています。
Point!
- 1~2個分の少量の卵白なら、カップ麺や納豆などに入れれば簡単に消費できます。
使い終わった味噌の利用例
卵黄味噌漬けの肝となる「味噌床」ですが、使い終わったら再利用できますので破棄せず使い切りましょう。
そのまま味噌汁に使ったり、肉や野菜の味噌炒めなんかにも使えます。
肉だねに味噌を混ぜて下味を付け、味噌風味の肉団子にして汁物に入れるのも良いですよ。
Point!
- 野菜の味噌漬けなどにも利用できますが、心配な場合は加熱調理に使いましょう。
- 大量の味噌床があるなら「味噌煮込みうどん」なんかもおすすめ。
まとめ
簡単なのにご馳走になる!
卵黄味噌漬けは、難しい調理技術や面倒な調理工程があるわけではありません。卵黄をただ味噌床に漬けておくだけ!
たったそれだけなのに、美味しい上に見栄えも良いという逸品料理です。
普段の食卓のちょっと贅沢なおかずに、または宅呑みでのおもてなし料理にと、簡単に作れる上にご飯にも酒にも合う使い勝手の良い料理なので、是非みさなんも食卓の色々な場面でお試しくださいませ~♪
( ⑉¯ ꇴ ¯⑉ )
まとめのPoint!
- 味噌は単品でもブレンドでも
- 出汁を合わせる
- 漬けて3日目が食べ頃
- 残りの卵白も味噌も使える