【目次】たけのこの情報
[2頁] 糠以外での筍のアク抜き方法8種類を解説
たけのこの情報 2/5頁
【糠以外での筍のアク抜き8種】
大根・小麦粉・コンクリ放置など
この時期に出回る生の筍は、正に山菜の王様。美味なる至福の口福を楽しめる食材です。
そんな筍ですが、糠でのアク抜きが面倒臭い、糠をわざわざ買うのも嫌だ、などなどの理由から避けたりしていませんか?または知り合いにたくさん貰ったは良いけど、家に糠がないんだけどどうしよう?とお困りになってはいませんか?
でもそんな場合もご安心下さい。
実は糠を使わなくともアク抜きはできるんです。
それも普通にご家庭の台所にあるもので!
ということで、本ページでは「重曹・小麦粉・米のとぎ汁・生米(精米・無洗米)・牛乳」を使ったアク抜き方法、更に最近流行りの「大根おろし汁」を使ったアク抜き方法をご紹介していきます。
更にただの「水道水のみ」でのアク抜き、驚きの「コンクリート放置」によるアク抜き方法も併せて実験検証し、解説していきます。糠が無くて筍のアク抜きに困っている方は是非ご一読下さいませ!(*≧∀≦*)
※ 昔ながらの「米糠」を使ったアク抜き方法は 1ページ目 で解説していますので、そちらをご参照下さい。
[2頁] 糠以外での筍のアク抜き方法8種類を解説
米糠以外でのアク抜き方法の解説に入る前に、まずは何故「米糠」を使って筍のアク抜きをするのか、その理由を知っておきましょう。
この点を押さえておけば、糠以外のものでアク抜きをする時にも、それを使う理由をスムーズに理解でき、色々と役に立ちます。(๑•̀ㅂ•́)و✧
※ 糠以外のアク抜き方法を直ぐに知りたい方は 糠を使わない筍のアク抜き方法 へ進んで下さい。
植物、野菜類の「アク」とは、人間が食する際の不要な要素、不快な要素の事です。「渋味」、「苦味」などですね。特に山菜類には多く含まれています。そして本題の筍ですが、この筍のアクの成分となっているのは「蓚(シュウ)酸」と「ホモゲンチジン酸」です。
シュウ酸は、ほうれん草に多く含まれていることが有名ですが、筍もこのシュウ酸を多く含みます。また、市販の筍の水煮なんかによく見られる白い粒々。アレは「チロシン」というアミノ酸の一種なのですが、 筍の酵素によって、このチロシンが時間の経過とともに「ホモゲンチジン酸」を生成します。
筍をはじめ、山菜類なんかはアクが完全に抜けてしまったものよりは、多少はアクが残っていた方が好き、美味しいという方も多いです。もちろん私もその一人。 しかし、全然アクが抜けていないものは、風味として片付けられる範囲を越えて、とても食べれたものではありません。そこでアク抜きが必要になっています。
それでは米糠でアク抜きできる原理とは、どういったものなのでしょうか?
まず、米糠の酵素によって筍の繊維が柔らかくなり、水溶性のアクが抜けやすくなります。また、シュウ酸が米糠のカルシウムと結合することで「シュウ酸カルシウム」となり、えぐ味を感じさせないものになります。
ちなみにこのシュウ酸カルシウムは山芋などにも含まれている成分です。そして米糠の甘味や旨味が加わることでエグミを隠す、ごまかすことができます。
それから米糠ということではなく「加熱」によって筍の酵素を失活させ、チロシン由来のホモゲンチジン酸が増加するのを止める事ができます。
こういった理由から、米糠を入れた水で茹でていくとアク抜き、アク止めができるという事になります。(*・ω-)b
< 参照資料・参考サイト >
■ 【 食品中の蓚酸含有量 】 栄養と食糧/中村経子
■ 【 タケノコに付着した白色物の分析について 】 山梨衛環研年報第55号
■ 【 植物Q&A 】 日本植物生理学会
■ 【 アク抜きの原理 】 日本科学工業協会
■ 【 筍のホモゲンチジン酸生成酵素について 】 日本家政学会第25回総会
■ 【 ビール後味に悪影響をおよぼす麦芽のエグミ呈味物質に関する研究 】 京都学園大学
米糠でアク抜き、アク止めできる理由を理解したところで、それでは早速米糠以外での筍のアク抜き方法を解説していきます。伝聞だけではない、どれも実際にわたしが試して食べてみた方法です。それぞれの使う分量は米糠のカルシウム含有量を基にして決めました。
これで台所に米糠が無くとも筍のアク抜きはバッチリですよ♪Σd(・ω・´)
グッ!!
※ 筍はアク抜き前の下処理を済ませておいて下さい。下処理は 前の頁 をご参照下さい。
※ 大根おろしの汁を使うアク抜き方法に関してのみ下処理が異なりますのでご注意下さい。
※ 各アク抜き方法でアク抜きした後は、米糠の場合と同じ方法 で保存して下さい。
米のとぎ汁を使ったアク抜き方法は、米糠と共に広く浸透している方法です。
米研ぎは、米の表面の糠を洗浄する行為です。つまりその洗浄した水に糠の成分が含まれるという事になるので、アク抜きできる原理は米糠の原理とほぼ同じと考えられます。
それでは早速、米のとぎ汁でのアク抜き方法を解説していきます。
< 必要なとぎ汁の量 >
・500g前後の小~中サイズの筍
・米のとぎ汁 2L(米研ぎ5~6回分)
まず普通にお米を研ぎます。
そしてその際のとぎ汁を捨てずに溜めます。
2で溜めておいたとぎ汁を鍋に入れます。
下処理をしておいた筍を鍋に入れ、火にかけます。
沸騰したら弱火にし、筍を45~60分ほど茹でます。
筍に火が通ったら、そのまま半日ほどおき冷まします。
重曹、タンサンはワラビのアク抜きなんかにも使われます。お菓子作りをする方ならお馴染みですよね。重曹(炭酸水素ナトリウム)はアルカリ性で、筍の繊維を柔らかくし、アクを抜けやすくします。
ただし、入れ過ぎると筍の色が黄色くなり過ぎたりしますのでご注意下さい。
< 必要な重曹の量 >
・500g前後の小~中サイズの筍
・水2Lに重曹大さじ1~1半
水2Lに対し、重曹を大さじ1~大さじ1と1/2入れ、火にかけます。
沸騰したら弱火にし、45~60分ほど茹で、そのまま冷まします。
画像だとあまり変わりなく見えますが、左が糠、右が重曹。肉眼だと右がけっこう黄色いです。
皮の方は、画像でも分かり易く変化が出ました。左が糠、右が重曹です。
次は小麦粉を使った筍のアク抜きです。最近はワラビを小麦粉と塩でアク抜きする方法も流行っておりますね。
私個人は現在はワラビのアク抜きは重曹をおすすめしているので(下記リンク参照)、小麦粉で筍のアク抜きができるのか懐疑的でありましたが、
朝日新聞のコラムにも小麦粉でできると書いてありますので、ある程度は信頼できるのかなと。
そして実際にやってみてたところ普通にアク抜きできました。
小麦粉は糠と同じくカルシウムも含んでいます。またワラビの例から考えると、小麦粉がコロイド粒子になり、アクを吸着する…のかもしれません。糠のカルシウム含有量と小麦粉のカルシウム含有量を比較し、分かり易く糠の2倍の分量でアク抜きをしました。
< 必要な小麦粉の量 >
・500g前後の小~中サイズの筍
・水2Lに小麦粉カップ1/2(約60g)
・米糠のカルシウム含有量:35mg/100g
・小麦粉のカルシウム含有量:20mg/100g
※参照:「食品成分データベース」文部科学省
↓小麦粉を使ったワラビのアク抜きに関するコラムはコチラです。
小麦粉と塩だけでアク抜きできるのはウソ?ホント?
< 参考資料 >
【 食べ物の「あく」ってなに? 】ののちゃんのDO科学/朝日新聞
糠が半カップで約30g。小麦粉は半カップで約60gとなり、ほぼ倍の重量となります。
鍋に水2Lを入れ、1の小麦粉を溶かし入れます。
鍋を火にかけ、沸騰したら弱火にし、45~60分ほど茹でます。
筍に火が通ったら火を落とし、そのまま冷ましていきましょう。
続きまして、ちょっともったいないですが生米を使った筍のあく抜きです。普通の米なら「とぎ汁」を使えば良い訳ですが、無洗米の場合はとぎ汁が出ないので、「生米を使う」イコール「無洗米を使う」という事になるかと思います。
さて、生米の分量に関しても糠と同様に色々な説があり、「大さじ3」や「一掴み分」などなど言われています。「大さじ3」に関しては「あさイチ」から広まった様で、たくさんのトレンドサイトに掲載されていますが、
公式な動画などで確認することができないので、私個人としてはこれを信用して良いのかどうか分かりません。
そこで他の情報を探していたところ、NHK和歌山放送局の「あすのWA!」という番組の公式HPに生米でのアク抜きが載っていました。そちらを参照しますと「生米30g」と記載されています。ちなみにその際の講師の方は、青果仲卸業の代表取締役の方という事で、 野菜の現場に立つプロの方と考えて良いかと思います(現場に立つのは従業員だとかいう細かい話は置いといて)。また国営放送的なNHKの放送内容であり、情報も公式HPに掲載されているのを自分のこの目で確認しましたので、この「30g」を基準にしました。
< 必要な生米の量 >
・500g前後の小~中サイズの筍
・水2Lに無洗米30g(1/4カップ)
※参照サイト:【あすのWA!】NHK和歌山
無洗米を用意します。
計量カップに約1/4で30gほどになります。
鍋に水と筍、生米(お好みで唐辛子も)を入れ、火にかけます。
沸騰後に弱火にして45~60分ほど茹で、火が通ったらそのまま冷まします。
・精白米のカルシウム含有量:5mg/100g
・米糠のカルシウム含有量:35mg/100g
・精白米の炭水化物含有量:77.6g/100g
・米糠の炭水化物含有量:48.8g/100g
※参照:「食品成分データベース」文部科学省
生米に続いては牛乳です。これもやはり生米と同じくもったいない感じもしますが、アク抜きできると言われています。
そしてシュウ酸とカルシウムの結合の観点から、これもカルシウム含有量を基に使用する量を決めました。
牛乳のカルシウムの含有量は糠の約3倍になります。という事は、糠は30g使用していますから、牛乳はその1/3の10gで事足りる計算になります。まあ、でも折角なので少し多めに約カップ1/4(約40g)を使う事にしました。 カップ1/4程度なら、そこまでもったいない感じもせず使えるかな、という量だと思います。
< 必要な牛乳の量 >
・500g前後の小~中サイズの筍
・水2Lに牛乳をカップ1/4(約40g)
・牛乳のカルシウム含有量:110mg/100g
・米糠のカルシウム含有量:35mg/100g
※参照:「食品成分データベース」文部科学省
牛乳を約カップ1/4ほど用意しましょう。
鍋に2Lの水を入れ、1の牛乳を注ぎます。
たけのこを入れて鍋を火にかけます。
沸騰後は弱火にして45~60分茹で、その後はそのまま冷まします。
「大根おろしの汁」を使った筍のアク抜き方法を考案したのは、西麻布の料理店「分とく山」の総料理長「野崎洋光氏」です。この方法は、長時間茹でるといった工程が無いために、筍本来の濃厚な味を楽しめると、最近人気となっているアク抜き方法です。
NHKの「みんなのきょうの料理」のサイトで、公式な内容が確認できます。しかし同サイト内では、その原理についての詳細は述べられていませんが、光文社のサイトの野崎氏の著作を紹介するページに原理が載っていました。
大根おろしの汁を使うことで、大根の消化酵素である「パーオキシダーゼ(ペルオキシターゼ)」が、筍のえぐ味であるホモゲンチジン酸を吸着し、アクが抜けるという原理です。それでは、その方法を実践してみましょう。
< 必要な大根おろしの汁の量 >
・400g前後の小サイズの筍
・大根おろしの汁:200ml
・同量の水:200ml
・塩:小さじ1弱(液体の約1%)
< 参考サイト >
■ 【 きょうの料理レシピ 】 みんなのきょうの料理/NHKエデュケーショナル
■ 【 体が喜ぶ二十四節気の料理帖 】 野崎洋光/株式会社光文社
■ 【 だいこんのことをもっと知る 】 有限会社大石農産
まず大根を洗い、皮付きのままおろします。
大根おろしをザルなどで濾し、汁のみを取り出します。
大根おろしの汁と同量の水を合わせます。
大根おろしの汁と水を合わせた総量の約1%の塩を足します。
筍を生のままで皮を剥きます。
皮を剥いたら調理用にカットします。
カットした筍を4の汁に30分以上浸します。
汁気を切って水洗いし、3~4分茹でます。
汁と別にした大根おろしは、天ぷらのつゆなどに活用。
冷凍して保存しておくこともできます。
さてさて、ここまで様々な筍のアク抜き方法をご紹介してきましたが、ここでふと疑問が湧きませんか?
水だけでもアク抜きできるんじゃね?
・・・という疑問が。(´≧ω≦`)?
どのアク抜き方法でも、筍を普通に食べる事ができました。逆に何も使わなくても、食べれるんじゃないか?そう考えて「水道水のみ」で茹でてみる事にしました。
画像:「水だけで1時間ゆでた筍」
という事で、こちらは水道水のみを使用して、ただ1時間茹でただけの筍です。他のアク抜き方法と同じ様に、水から入れて沸騰したら弱火にして1時間茹で、冷めるまで半日ほどそのままにしていました。
では、一切れつまんでみます。
パクリ… 。≠( ̄~ ̄ )
あれ?普通に食べれる?
もう一口、パクリと・・・
モグモグ… σ(´~`*)
やっぱり、水で茹でただけでも食べれますわ。
上の画像が水で茹でて冷ましているものです。ワラビを重曹でアク抜きした様に液体に色が付いています。
そして味の方ですが、若干ですがアクやえぐ味はあります。しかし私の様なクセのあるものが好きな人には全然守備範囲内。
クサヤやホヤなど、クセのある食べ物が好きな人ならむしろOKな感じの仕上がりと言えます。というか、その2つに比べれば全然普通です。ただ、反対に駄目な人には無理かもしれません。
果たしてコレは私の舌がおかしいのか?アク抜き検証の為に、筍を大量に食べ過ぎて舌が麻痺したのか?それとも、たまたまこの筍だけアクが少なかったのか?確認する意味で他の筍を使って、再び水だけで茹でましたが同じでした。
という事で調べてみると、明治以前くらいまでは何も添加せずに水のみで茹でる「湯煮」という方法が取られていたという資料を見つけました。また、その資料によるとアジア各国での筍の下処理も、ただ茹でたり、塩水で茹でているだけの場合が多いそうです。
つまり水だけで筍を茹でるのは、米糠を使うより遥か以前の昔ながらの筍の処理の仕方である「湯煮」という事になるようです。
クセのあるものや、えぐ味が苦手な方にはおすすめしませんが、そういう味が好みの方は試してみても良いかもしれませんね。(●´ڡ`●)
< 参考資料 >
【 タケノコのあく抜きに関する研究 】岩村もと子・三宅紀子/東京家政学院大
さあ、ただの水道水で茹でる次は、「コンクリートに放置する」とアクが抜けるという説です。これは筍のアク抜きに関して調べていたところ遭遇した情報です。 何発信の情報なのかと言うと、講談社の週間少年マガジンで1986年から1989年まで連載されていた料理漫画「ミスター味っ子」に掲載されたアク抜き方法になります。
話の流れとしては、亡くなってしまった母の味をお父さんに食べさせたいという野球部のマネージャーが、主人公である「味吉陽一」に相談する事から始まります。亡き母が茹でた筍は、何か特別な方法でアク抜きしていたという話です。
私も漫画本はたくさん所有していますが、残念ながら「ミスター味っ子」は全巻揃っておらず、この話は知りませんでした。
果たして本当に、「コンクリートに放置」することで筍のアクが抜けるのでしょうか?
ネットで「 たけのこ アク抜き 味っ子 」で検索すると、色々な情報が出てきます。ただそのままコンクリートに放置する、茹でてから放置するなど、バラバラな情報だったので、まずはその正しい方法を実際の漫画のコマから確認してみます。
※ 「ミスター味っ子」 (C)寺沢大介/講談社
(SHONEN MAGAZINE COMICS 16巻 172、173頁より引用)
まず、上の1と2のコマから確認できる事は、ただ単にコンクリート上に放置するのではないという事です。
「糠と鷹の爪」を使った一般的なアク抜きが行われている上で、「このほかに何かあったのか」と言っています。
「これ以外のアク抜き方法が何かあるのか?」という意味に捉えることもできるかもしれませんが、「これ以外の工程が必要なのか?」という意図の方が正しい様に思われます。
※ 「ミスター味っ子」 (C)寺沢大介/講談社
(SHONEN MAGAZINE COMICS 16巻 173頁より引用)
「タケノコをしこんだあと」と言っていることからも、まず普通に糠と鷹の爪でアク抜きを済ませていると考えられます。
そしてお母さんは、その後で「筍を持って外に行き、手ぶらで戻って来る」という行動を取っていました。この行為に、お母さんのアク抜きのヒントがあると陽一は気が付きます。
※ 「ミスター味っ子」 (C)寺沢大介/講談社
(SHONEN MAGAZINE COMICS 16巻 175頁より引用)
Σ( ̄ロ ̄lll)
そして陽一が辿り着いた答えがコレです!
絵の筍を見ると、穂先部分が既にカットされており、下処理が済ませてあるので、この点からも糠と鷹の爪を使って一度茹でた筍であろうと推察されます。
※ 「ミスター味っ子」 (C)寺沢大介/講談社
(SHONEN MAGAZINE COMICS 16巻 175、177頁より引用)
そして筍が転がっているだけの絵では、何なのか分かりませんが、「コンクリートの上にタケノコを放置して・・・・!!」というセリフがあり、 その前のコマは、タケノコをコンクリート上に放置していたものであるという事が確認できます。しかし残念ながら、その原理までは漫画では示されていません。
「理由はまったくわからないけどとにかく・・・・
コンクリートの上に置いたタケノコはエグみがすっきり抜けてしまうんだ」
というセリフがあるだけです。(^◇^;)
作者の地元のアク抜き方法とか、編集の方のお母さんの方法とかなのでしょうか?
ネット上には、それらしい原理もありましたが、出典元が不明なため確かではありません。
【お断り】
漫画のコマを無断で転載する事は、著作権侵害に当たるかと思いますが、本件では「筍のアク抜き」が「コンクリートに放置」する事で、実際に可能なのかどうか?また、
それが本当に「漫画の内容に沿った著作者が意図する方法」であるのか?という二点を検証確認する上で、そして昨今のネット社会における真偽不明の情報の正確性を客観的に裏付ける為に、「引用」として実際の漫画のコマを使用させて頂きました。
・・・という事で、実際の漫画のコマを確認する事で、おそらくというやり方は分かりましたので、あとはこの方法を実際に自分で試してみます。(`・ω・´)ゞ
画像:「使用するコンクリの床と筍」
まず、普通に米糠と唐辛子を使って筍のアク抜きをします。コンクリートの場所は、ちょうど家の地下倉庫の路面が打ちっぱなしのコンクリートだったので、こちらを使用。
筍は半分に割り、片方はコンクリ放置、もう片方は水を入れたタッパーで冷蔵保存しておきました。
画像:「コンクリ放置の筍とタッパー保存の筍」
さすがに共用部に筍を放置できないので、自分のスペースに筍を一晩放置しました。右の画像が、コンクリート放置の筍とタッパー保存の筍を比較したものです。
画像:「各部位を食べ比べ」
そしていよいよ食べ比べです。半分にカットしたそれぞれの部位を食べ比べてみます。
モグモグモグモグ・・・
モグモグモグモグ・・・≠( ̄-( ̄)
・・・・。
りっ!
理由は全く分からないけど!
コンクリ放置した方が味が濃い!!!Σ(゚□゚ノ)ノ
いや、マジです、マジです(汗。
本当にコンクリートに放置した方が美味しいんです。味が濃いです!
先入観に全く左右されていないか?と問われれば、もちろん絶対と言い切ることはできません。ただ、どちらかと言えば、自分では物事に懐疑的な方だと思っているので、思い込みではないと思います(…たぶん)。
という事で、ご興味がある方は是非一度お試ししてしてみて下さいませ!!
何でそうなるかは、ホント分からないですけど・・・(;^△^)
様々な筍のアク抜き方法をご紹介してきましたが、ここで一旦それぞれのアク抜き方法の欠点や残念な箇所、注意すべき点、または便利な部分、良い点を挙げてみます。
【 糠の良い点と悪い点 】
(良)糠の成分で筍が美味しくなる
(悪)糠が排水口に詰まる
【 とぎ汁の良い点と悪い点 】
(良)廃棄物であるとぎ汁で節約できる
(悪)鍋にデンプンがこびりつく
糠を使うと、糠の甘味や旨味が筍をより美味しくします。しかし最後に筍を取り出して鍋を洗う際に、排水口に糠が詰まってしまいます。まあ、これはお茶パックなどに糠を詰めて使うことで解決する事ができます。 そして米のとぎ汁を使った際には、とぎ汁に含まれるであろうデンプン(おそらく)が、鍋にこびりついてしまい、鍋の掃除に手間がかかります。一方で、廃棄物である「とぎ汁」を使うことで節約、無駄を無くせると言えます。
【 重曹の良い点 】
(良)筍の硬い繊維が柔らかくなる
(良)お手軽に使うことができる
【 重曹の悪い点 】
(悪)筍が変色する
(悪)アルミ鍋だと跡が残る
重曹を使う際に注意する点は、アルミ製のものを使うと跡が残るということです。ワラビのアク抜きで使用する際なども同じですが、上の画像の様に輪っかの跡になってしまいます。 また、アク抜きの項目でもご説明しましたが、重曹によって筍が黄色く変色してしまいます。しかしお手軽さで言えば、「水道水のみ」を除けば随一でしょう。更に硬い繊維を柔らかくする効果もあります。
【 小麦粉の良い点と悪い点 】
(良)家庭に普通にあるものを利用できる
(悪)気分的に勿体無い
(悪)鍋に小麦粉がこびりつく
【 生米の良い点と悪い点 】
(良)無洗米しかない場合も利用できる
(悪)気分的に勿体無い
小麦粉と生米を使ったそれぞれのアク抜きに関する良い点、悪い点は、双方とも大体は同じ事が言えます。
良い点は、一般的な家庭の台所に普通にあるものでアク抜きできること。
そして悪い点は、気分的に勿体無い感じがするという事です。アク抜き後に「すいとん状」になった小麦粉や、鍋の洗浄で排水口に溜まった「お粥状」のご飯。
食べれば食べれるかもしれませんが、アクを吸着している点を考えれば、このまま捨てるしかありません。特に私のような食いしん坊には、辛い光景です。
もったいないお化けが出そう…。(≧д≦)
【 牛乳の良い点と悪い点 】
(良)シチューやカレーには良いかも
(悪)気分的に勿体無い
(悪)乳臭くなる
【 大根おろし汁の良い点と悪い点 】
(良)筍本来の味を楽しめる
(悪)大根をおろすのが疲れる
牛乳を使ってアク抜きすると皮が青っぽくなりますが、筍本体は普通の色をしています。ただし乳臭くなります(汗。これは水に晒し保存しておく事で抜けますが、直ぐに刺身にして食べるなんて場合は向きません。 でもシチューやカレーにこのまま使う場合なんかは逆に良いかもしれませんね。
大根おろしの汁を使う場合は、前述したように筍本来の味を楽しめるのが魅力ですが、欠点を挙げれば、とにかく疲れるの一言に尽きます。
200mlの汁を得るためには上の画像にあるサイズほどの大根を使います。
500~600g 分の大根は、おおよそで1/3本となります。この量の大根をおろすのは、特に女性にはなかなか苦行なのではないかと思います。ミキサーで一気にやってしまっても良いかもしれませんが、もしかしたら汁の成分量が変わるかもしれません。
前のページ でご紹介した正統派の「米糠」を使ったアク抜き方法を含め、このページでも色々な筍のアク抜き方法をご紹介しました。
それでは実際に、これらのそれぞれのアク抜き方法による筍を食べ比べていきます!ヾ(≧∀≦)ノ
今回はこの食べ比べの為に、1ヶ月の食費からけっこうな額を筍につぎ込みました・・・(汗。
試したのは、「糠・どぎ汁・重曹・生米・小麦粉・牛乳・大根おろし汁」の7種類。そして生米に関しては、「精米と無洗米」の両方を試したので、これで8種類。また、「水道水のみ」のアク抜き方法、
更に糠でアク抜きした後に「コンクリート放置」、水道水だけでアク抜きした後に「コンクリート放置」を加え、糠以外で9種類、糠で2種類、
全部で11種類のアク抜き方法を試しました。
とりあえず、まず言える事は、
どの方法でもアク抜きができていたという事です。
その過程において、アク抜き時間が短い筍も試しに食べましたが、その場合は「ピリピリ」とした刺激性があり、アクが抜けていないのは明白でした。それと比較すると、ただの「水道水のみ」のものさえ、
アクが抜けて食べれる状態になっていたのです。
古来の日本では水のみの「湯煮」が行われていたこと、アジア諸国では水や塩水でアク抜きが行われていることを、自分の舌で確認できました。
「生米」をアク抜きに使おうという場合、家にあるのは無洗米なので「とぎ汁が無い」というシチュエーションであろうと思われます。 しかし、無洗米とは違って表面の糠を取り除いていない普通の精米を使えば、よりアクが抜けるのではないか?そんな疑問を解決する為に、普通精米の米と無洗米の両方の生米で試してみました。
結果、食べ比べてみると、
やはり無洗米の方が若干のえぐ味を感じました。
まあ、しかし食べれないという事ではありません。普通精米のものと比べると、という話です。 そしてこの点からも、「米糠」が筍のアク抜きにその効果を発揮しているという事をうかがい知ることができます。
筍本来の味を楽しめる「大根のおろし汁」を使ったアク抜き方法ですが、実は1回目は失敗しました。
「なんだコレ!?苦っ!不味っ!!」
これが、初めてこのアク抜き方法を試した時の正直な感想でした。しかしその後、少しやり方を変えて試してみると・・・、
確かに筍本来の旨味が!!Σ(ノ≧ڡ≦)
最初の失敗した時に使った大根は、「古い・皮剥き・大根の下の方」であったのに対して、二回目に使った大根は「葉付きで新鮮・皮は剥かず・大根の上の方」 と、それぞれ三点の要素が異なっていたので、いずれか(もしくは全て)が原因となって苦くて不味くなったのだと考えられます。
また、公式レシピに表記してある「30分以上」では、まだえぐ味が感じられましたが、半日ほど浸けておいたら本当に美味しくなりました(筍の鮮度によるかも)。ただし、大根おろし汁に1日浸けたままにしておいたら、苦くなってしまいました。
これはアクが戻ったのか、大根の辛みが移ったのかは不明ですが、浸しておくなら半日まで。それ以上は一度茹でてしまって、冷水で保存をおすすめします。
最後に食べ比べるのは「コンクリート放置」。
なぜかアクが抜け、美味しくなってしまう「コンクリート放置法」が、あまりにも予想外に美味しくなったので、更に追加で実験してみました。
「糠でアク抜きした筍」、「水道水のみでアク抜きした筍」の二種類を準備して、それぞれ一晩コンクリートに放置しました。これは元々、糠でアク抜きした筍は美味しいので、やはり糠に軍配が上がりました。
しかし水道水のみでコンクリート放置も、決して捨てたものではなく、ここで再び「湯煮」の威力を思い知るに至りました。(*´・∀・)
さて、お待たせしました!総論です。
私がオススメする筍のアク抜き方法ベスト3を発表します!!
< 食べ太郎オススメの筍アク抜き方法 >
第1位 糠でアク抜き後にコンクリ放置
第2位 糠でアク抜き
第3位 大根おろし汁でアク抜き
やはり、わたくしとしましては、米糠を使うことによって糠の甘味や旨味が筍に移り、より一層美味しくなるという事で「糠によるアク抜き」をイチ推し致します。
更に原理は不明なものの、それをコンクリート上に一晩放置すると増々美味しくなるという事で、「糠でアク抜き後にコンクリ放置」を第1位としました。そして「糠でアク抜き」を第2位とさせて頂きました。
第3位の「大根おろし汁でアク抜き」も、筍本来の旨味が濃くて本当に美味しかったのですが、「大量の大根をおろす作業」と「排水口と鍋の糠を掃除する作業」を比較して、第3位としました。
また、敢闘賞としては「水道水のみでアク抜き」。
1時間ほど茹でるだけで何の面倒な作業もなく、それなりに美味しく頂けるので、けっこう良いアク抜き方法だと思います。
そして最後に、これは私個人の嗜好により、私の舌で判断したものです。人の好みというものは千差万別、人それぞれです。みなさんも自分自身の好みの味、またはアク抜きの環境に合わせ、
自分に合った筍のアク抜き方法を模索してみて下さい。
この記事がその一助となり得れば幸いです。<(_ _)>
ペコリ
[2頁] 糠以外での筍のアク抜き方法8種類を解説