【目次】たけのこの情報
[4頁] たけのこの産地や栄養・実は毒性がある?
たけのこの情報 4/5頁
【筍の旬や栄養など】
産地偽装を目撃・実は毒性がある?
とっても美味しい山菜と言えば、そう、筍(たけのこ)ですよね。春に出回る旬の「生の筍」を自分でアク抜きして食べる美味しさと言ったら、筆舌に尽くし難いものがあります。
また生の筍以外にも、筍の水煮などは年間を通じて普通にスーパーなどで購入することができ、和食をはじめ中華料理などにも頻繁に使われる我々にとって身近な食材の一つであると言えます。
そんな筍の産地や栄養。そして実は意外なことに毒性があった!?というお話や、私が目撃した「産地偽装?」に関する検証コラムなど、このページでは筍に関する情報を多岐に渡りご紹介していきます。
スーパーでの良い筍の選び方なんてお話もあるので、筍好きな方は是非ともご一読下さい。
[4頁] たけのこの産地や栄養・実は毒性がある?
「タケノコ」は漢字で「筍」と書きます。「竹冠」に「旬」で、「筍」という漢字になります。
そして「旬(じゅん)」とは、時間の単位で「10日」です。上旬・下旬・中旬などで使いますよね。さあ、そしてみなさんも筍の成長が早いということはよく耳にすると思います。
地表に顔を出した筍は、10日も過ぎればアッという間に竹になってしまいます。その事を踏まえて、「筍」という漢字が出来たと言われています。
さてここで気になるのが、「竹の子」という書き方です。
10日以内のものを「筍」、10日を過ぎたものを「竹の子」という説もあるのですが、
「竹の子」は読んで字の如く「竹の子供」を指していますから、これも「筍」と同じく食用のタケノコに当てはめても良いのではないかと個人的に思っています。
何故ならば、居酒屋なんかのメニューで「竹の子」という表現があったとしても、それはそれで涼やかで美味しそうなイメージがしますよね?( ¯﹃ ¯๑)
タケノコと一言で言っても、実は色々な種類があります。
多くの人たちが、「筍」と聞いて思い浮かべる姿は、きっと上の画像の右側のものだと思います。この一般的な流通量が多い筍が、「孟宗竹(もうそうちく)」です。
孟宗竹の特徴は、食べ応えがあるその肉厚でいて柔らかな身です。 竹の地下茎が地表に顔を出したばかりの若いものを収穫し食します。
また、孟宗竹以外には、画像左側の根曲がり竹(姫竹)や、真竹などが食用として流通しています。
さて、この孟宗竹は中国の江南地方が原産となります。和食でもよく使われている食材ですが、中華料理でも様々な料理に使われているのをみなさんも目にしたことはあるでしょう。
中国から日本に伝わったのは、元文1年(1736年)。第21代薩摩藩主の島津吉貴が琉球経由で江南竹の株を2株取寄せて植えたものが、各地に広まっていったと言われています。
ちなみにその植えられた場所は、現在の鹿児島県鹿児島市吉野町にある「仙巌園(せんがんえん)」です。「礒公園」や「礒庭園」とも呼ばれる島津氏の別邸跡で、美しい庭園や自然が広がる名勝です。
日本における孟宗竹の元祖とも言える「江南竹林」があり、竹林の横には「仙巖別館江南竹記」の石碑もあるので、ご興味がある方は訪れてみると良いでしょう。
< 参照資料・参考サイト >
■ 【 食材図典 】 小学館発行
■ 【 文化財指定庭園 名勝 仙巌園 】 公式HP
孟宗竹の伝来としては、一般的に有名と思われるのが前述しました薩摩藩から全国に広まったという説です。
しかし実はそれ以外に「海印寺(かいいんじ)伝来説」があります。この京都の海印寺にも孟宗竹伝来に関する話が諸説ありますので、それらも併せてご紹介しておきましょう。
京都の長岡京市にかつてあった海印寺は、弘仁年間(810~824年)に「道雄(どうゆう)」によって創建された寺院です。
その道雄が中国より孟宗竹を持ち帰ったという説があります。しかしこれは伝説の類いであるという線が濃厚なようです。
少し時代を下って、道元による伝来説もあります。
みなさんも小学生の時に習ったと思います日本の曹洞宗の開祖である「道元禅師」。かの道元禅師が宋より持ち帰り、
安貞2年(1288年)に帰国した際に、海印寺の「塔頭(たっちゅう)」(※子院のこと)であった「寂照院(じゃくしょういん)」に植えたのが始まりという説です。
臨済宗、曹洞宗と共に日本の三禅宗とされる「黄檗宗(おうばくしゅう)」の開祖である隠元禅師。
この隠元禅師が中国より招かれて、京都の宇治で寛文元年(1661年)に萬福寺を開山したのですが、
隠元禅師が中国からもたらした様々な文化の中に孟宗竹があり、この孟宗竹が海印寺に贈られて、寂照院に植えられたという説です。
この様に、京都の海印寺にまつわる孟宗竹の伝来説も色々とあります。
ところで、現在は海印寺は存在していません。海印寺十院という塔頭が10院あった内の寂照院のみが現存しています。
その寂照院には、「日本孟宗竹発祥之地」という石碑があり、また寂照院の境内にある「モウソウ竹林」は、平成24年3月に京都の「史跡名勝天然記念物」として登録文化財に登録されています。
果たして、はじめて日本に孟宗竹が伝わったのはいつなのか?薩摩なのか京都なのか?
学者でもない私は想像するしかありませんが、郷土史や民俗学などに携わっている方には面白い研究対象となるのではないでしょうか。
....φ(・∀・*)
フムフム
< 参照資料・参考サイト >
■ 【 京たけのこ 】京都市情報館/京都市役所
■ 【 観る寂照院 】 京都市観光協会
■ 【 寂照院 】 長岡京市公式HP
■ 【 京の野菜 長岡京市のたけのこ 】 長岡京市公式HP
■ 【 萬福寺の歴史 】 黄檗宗大本山萬福寺公式HP
■ 【 京都府指定・登録等文化財 】 京都府教育庁指導部文化財保護課
孟宗竹の旬は4~5月くらいです。
おおよその目安として、鹿児島などの早い地域は2月くらいから出荷がはじまり、京都、静岡などは3月くらいから、千葉、茨城などが4月くらい、そして石川・・・と、筍前線は徐々に北上していきます。
筍の出荷量の最盛期となるのが4月中旬から5月の連休明けくらいまでで、大体6月頭くらいには出荷は終了する感じです。
また、地中にある筍を収穫した「早堀り筍」などは、年内の12月から出始める希少な高級食材となっています。
孟宗竹の旬が分かったところで、スーパーや八百屋さんで購入する際のポイントをお教え致しますね。それは以下の三点になります。
< たけのこを購入する際のポイント >
1.芽の色を見る
2.根本のブツブツの状態を見る
3.根本の切り口や泥などを確認
それでは、それぞれのポイントを詳しく解説していきます。
まずは上の画像をご覧下さい。右の孟宗竹の芽の部分は薄い黄色から緑色といった感じ、対して左側は濃い緑色になっています。これは新鮮さの目安になります。この芽の部分は日光によって濃い緑色に変化していくので、採りたてのものほど薄い色をしています。
根本のブツブツの部分の色も参考になります。こちらは採りたてのものほど赤っぽく、時間の経過とともに黒くなっていきます。 上の画像だと左側が赤っぽく、右側はもう黒になっています。またこのブツブツは根っこが生える箇所なのですが、この数が少ないものほどアクは少ないとされています。
そして根本の切り口が新鮮なもの、付着している泥がまだ湿っているものなども新鮮さの目安になりますよ。(๑•̀ㅂ•́)و✧
次は孟宗竹の出荷量に関して。
最も多いのは福岡県です。次いで鹿児島県、そして熊本県と続きます。農林水産省の資料から平成27年の生産量を見てみると、以下の様になっています。
< 平成27年度の筍生産量 > | ||
---|---|---|
1位 | 福岡県 | 7,388.2 t |
2位 | 鹿児島県 | 5,781.9 t |
3位 | 熊本県 | 4,181.4 t |
全国の総生産量 | 28,979.9 t |
九州地方の3県だけで、全国の生産量の約60%をも占めていることが分かります。
続いては孟宗竹の海印寺渡来説もある京都府が第4位となります。これは四国中国地方以北では断トツの生産量です。
それでは、4位から10位に関しても農林水産省の資料を参考にして見てみましょう。
< 平成27年度の筍生産量 > | ||
---|---|---|
4位 | 京都府 | 2,678.7 t |
5位 | 香川県 | 1,473.1 t |
6位 | 徳島県 | 1,131.1 t |
7位 | 愛媛県 | 953.0 t |
8位 | 宮崎県 | 928.5 t |
9位 | 大分県 | 655.5 t |
10位 | 静岡県 | 550.9 t |
京都以外では、やはり九州四国が多いですね。そして東海の静岡県、次は北陸の石川県、関東の千葉県の順となっています。出荷の北限は東北の山形県、宮城県まで。
また、孟宗竹の生育地の北限は青森県とも言われていますが、北海道の道南にも孟宗竹林を確認することができます。
元々が中国からの伝来であった孟宗竹。日本でも一年中流通している「筍の水煮」などの加工品は、ほとんどが中国産となります。
林野庁のHPによると、平成26年の筍の消費量の84%が輸入品となっています。そして農林水産省の輸入統計を見ると、平成26年の筍の缶詰などの各国からの輸入量は以下の通り。
< 平成26年度の筍(缶詰等)の輸入量 > | ||
---|---|---|
1位 | 中国 | 76,978 t |
2位 | タイ | 539 t |
3位 | ベトナム | 310 t |
4位 | 台湾 | 182 t |
中国がその圧倒的シェアを占めているのは一目瞭然。中国食品は危険だという事もよく言われますが、実際にはこれだけの量が出回っています。
国産に比べて安いから買うという方もいるでしょう。でも安過ぎて逆に怖いという方もまた多くいるでしょう。
日本の食品業界では、古くから偽装が横行してきたという事実は近年様々な問題から白日の下に晒されました。そういった土壌に加え、色々と変な物を輸出して問題を起こしている中国の食品ということもあり、不安に思うのも当然です。
しかしそういった経緯を踏んできたからこそ、誠意ある対応を心がけている業者さんも多くなってきた、そう、我々消費者は信じたいです。その後は、国産を買うのか中国産を買うのかは、各々が情報を判断して決めることになりますよね。
筍は元々が旬のもの、季節物なので、出回る期間は限られています。しかし今年2017年は例年より、かなり短かったですね。アッという間に八百屋さんから孟宗竹が姿を消してしまいました。
この原因は、出荷量が多い九州地方で孟宗竹が不作だったことによります。この不作の理由として、熊本地震で筍の根が切れてしまったため、降水量が少なかったためなど言われています。私が八百屋のおじさんに聞いたところでは、雪の影響と言っていました。
確かに昨年は九州で稀に見る積雪量でしたよね。これら様々な理由から不作となってしまったようです。
更に今年は孟宗竹の「裏年」であったこともあり、大不作となってしまったんですね。面白いことに孟宗竹は、豊作の「表年」と、不作の「裏年」を交互に繰り返しているんです。
という事で、農林水産省のデータを参考に出荷量上位3県の過去6年間の出荷量を見てみましょう。
< 上位3県の筍出荷量の変化 > | |||
---|---|---|---|
福岡県 | 鹿児島県 | 熊本県 | |
平成22年 | 13,225.8 t | 10,791.3 t | 2,952.9 t |
平成23年 | 10,034.5 t | 9,127.4 t | 4,083.7 t |
平成24年 | 13,517.8 t | 9,604.2 t | 3,703.1 t |
平成25年 | 5,613.0 t | 5,270.0 t | 3,751.7 t |
平成26年 | 14,022.0 t | 7,405.5 t | 4,118.6 t |
平成27年 | 7,388.2 t | 5,781.9 t | 4,181.4 t |
熊本県に関してはランダムな感じもありますが、出荷量が1位と2位の福岡県・鹿児島県は、確かに増えて減ってを交互に繰り返していますね。
これには筍の生態が関係しています。筍は1本1本が独立して生えているのではありません。地下茎でつながっているんです。熱帯魚飼育やテラリウムなんかをやっている方はランナーでつながっている種類の水草なんかをご存知かと思いますが、 あんな感じを連想して頂ければ良いかと思います。
親となる竹が地下に張り巡らせている地下茎から、それぞれの筍が生えてくるんですが、これがたくさん生えると当然ながら養分をたくさん使います。すると次の年は養分が減って枯れてしまわない様に、 新しく生える筍の数を減らして調整しているという仕組み。これによって豊作と不作が交互に繰り返されているわけです。
という事で、来年はたくさん筍を味わえる事を期待したいですね!(⌒¬⌒*)
< 参照資料・参考サイト >
■ 【 特用林産物生産統計調査 】 農林水産省
■ 【 はこぶら 】 函館市公式観光情報
■ 【 特用林産物の生産動向 】 林野庁
東京都品川区の戸越と言えば、戸越銀座の商店街が有名ですが、江戸時代には「戸越の筍」と言われるほど、戸越では筍が有名でした。付近の農村の収入の多くを筍栽培が占めているほどの名産地だったのです。
そのきっかけを作ったのは、竹翁とも言われる廻船問屋の「山路治郎兵衛(やまじじろべえ)」。
寛政元年(1789年)に、この竹翁が薩摩より孟宗竹を取寄せたものを栽培し、付近の農村にも筍の栽培をすすめたのがそもそもの始まりです。
竹翁が亡くなり、一周忌となる文化3年(1806年)には子息によって「孟宗筍栽培記念碑」が建てられました。この碑は現存し(品川区小山1-5-14)、その功績を今の現代にも伝えています。
竹翁が戸越村ではじめた孟宗竹の栽培は、やがて碑文谷村などにも広がっていきました。
「目黒不動」の呼び名で今でも多くの人々が参詣に訪れる「瀧泉寺」の門前では、その筍を使った「筍飯」が人気となり、「目黒の筍飯」として名を馳せ、正岡子規などをはじめとした多くの文人などもその美味しさを堪能しに訪れたそうです。
しかし、宅地開発などによる時代の変化と共に、孟宗竹の栽培はやがて終焉を迎えてしまいました。現在では目黒区の碑文谷にある「すずめのお宿緑地公園」の竹林などが、その当時の片鱗を僅かに残すのみとなっています。
< 参考サイト >
■ 【孟宗筍栽培記念碑 】 しながわ観光協会
■ 【 歴史を訪ねて 目黒のタケノコ 】 目黒区公式観光情報
孟宗竹は、その肉厚な身を食べてみればお分かりになる様に食物繊維が豊富です。食物繊維は便秘の改善や、コレステロールの吸収を抑えてくれる働きなどが知られています。
食物繊維と言って思い浮かぶのは、一般的にはゴボウやサツマイモなどでしょうか。
この二つの野菜と筍の食物繊維の量を比べてみると、100g中で茹でた筍の食物繊維は3.3g、ゴボウが6.1g、焼いたサツマイモが3.5g となります。 ですので、ゴボウと比べると負けますが、サツマイモと筍の食物繊維の量は、ほぼ同量といった感じですね。
という事で、これらの食材の主な成分を比較してみましょう。
< 筍・ゴボウ・サツマイモの主な成分比較 > | ||||
---|---|---|---|---|
100gの数値 | カロリー | 食物繊維 | カリウム | ビタミンC |
タケノコ(茹で) | 30 kcal | 3.3 g | 470 mg | 8 mg |
ゴボウ(茹で) | 58 kcal | 6.1 g | 210 mg | 1 mg |
サツマイモ(焼き) | 163 kcal | 3.5 g | 540 mg | 23 mg |
筍はカリウムも豊富で、筍が470mg、ゴボウが210mg、サツマイモは540mg と、今度はサツマイモよりは低い数値ですが、ゴボウの倍以上のカリウムを含んでいます。
ちなみにカリウムは体内の浸透圧維持に関わっており、塩分の排出を促すので、むくみの解消、または高血圧予防が期待できるとされています。
その他、肌の調子を整えたり、疲労回復の効果があるとされるビタミン類も含んでおり、カロリーは100g で30kcal とヘルシー。それでいて食べ応えもあるので、食いしん坊な方やダイエット中の方などにも向いている食品と言えると思います。
※参照データ:「 食品成分データベース 」文部科学省
孟宗竹の成分で注目したいのが「チロシン」です。
1ページ目 のアク抜きの説明の際にも少し触れましたが、水煮の筍などによく見られる「白い粒々」の事です。
ちょっと古くなった納豆の表面なんかにも見られますよね。アレです。
異物として苦情が出る場合もあるようですが、これはもともと筍に多く含まれる成分であり、旨味成分でもあるアミノ酸の一種ですので、特に取り除いたりせずにそのまま食べても差し支えありません。
牛乳やチーズにも多く含まれ、文部科学省のアミノ酸成分表によると、100g中で牛乳では150mg、プロセスチーズで1300mg、そして筍では180mg、ちなみに納豆には680mg 含まれています。
また、納豆は醗酵が進むとチロシンが表面に析出しますが、筍でチロシンが析出されるのは水煮の加熱工程の長さによるという研究結果があります。
さて、このチロシン。実はサプリメントとしても販売されており、「チロシン」でショッピング検索すれば、色々な種類の商品が出てきます。謳われている効能は「集中力アップ・やる気向上」といったメンタル的な部分。
チロシンは「ノルアドレナリン」や「ドーパミン」といった神経伝達物質の前駆体です。つまり、脳内伝達物質の原料なので、集中力の持続や、やる気の向上といった効果が期待できるわけです。
更に睡眠障害であるナルコレプシーに軽度の効果が見られ、フェニルケトン尿症に有効性があるとされています。
ちなみに上の画像は、筍に浮き出たチロシンを採取して乾燥させたものです。
食後にパクリと食べてみると、ほんのりと甘い風味。集中力や、やる気が出たかは・・・まあ、この量を1回食べただけでは、よく分かりませんでした(笑。
やる気の向上や、集中力の持続など、良い効果があるチロシンですが、実はチロシンはシミの原因となる可能性もあります。
女性の方ならご存の通り、過剰に生成されたメラニンはシミの元になります。このメラニンはチロシンが変化したものなので、チロシンを取り過ぎるとシミの原因になるとも言われています。
一方で、黒色色素であるメラニンの不足は、白髪の原因になるとも言われます。
では、チロシンはどれくらいなら摂っても良いのでしょうか?
安全性に関しては、1日に体重1kgに対してチロシン150mgを摂取して3ヶ月まで安全に摂取できると、国立健康・栄養研究所のサイトに掲載されています。
しかし、これは安全性に関してであって、その量ならシミの原因にならないという訳ではありません。
とすると、シミが気になる場合はどうすれば良いのか?ヒントは、私も愛用しています「トランシーノ」の第一三共ヘルスケアのサイトにありました。
チロシンがシミとなる大まかな過程は以下の通りです。
1.【 チロシナーゼが作用 → チロシンが活性化 】
2.【 活性化したチロシンが変化 】
「チロシン」 → 「ドーパ」 → 「ドーパキノン」 → 「メラニン」
ここで活躍してくるのが「ビタミンC」です。
ビタミンC は、チロシナーゼによってチロシンが活性化するのを防ぎ、更にドーパキノンをドーパに還元してくれます。
ということは、ビタミンC も一緒に摂取できるようなメニューを取り入れれば良いという事になります。また、筍にはビタミンC も含まれていますので、特にそこまで気にせず美味しく食べればそれて良いということですね。ヽ(*゜∀゜*)ノ
< 参照資料・参考サイト >
■ 【 日本食品標準成分表2015年版(七訂)アミノ酸成分表編 】 文部科学省
■ 【 タケノコに付着した白色物の分析について 】 山梨衛環研年報 第55号
■ 【 「健康食品」の素材情報データベース 】 国立健康・栄養研究所
■ 【 シミができるしくみ 】 第一三共ヘルスケア
第一三共ヘルスケア株式会社
※Amazonと楽天市場から最安値をチェックできます。
孟宗竹に含まれるアクの原因となる物質は、「シュウ酸」と「ホモゲンチジン酸」です。2ページ目 でも解説しましたが、これらの物質が苦味、えぐ味の原因です。しかし毒というわけではありません。 では、それ以外に筍には何か毒性がある物質があるのでしょうか?
それが何とあるんです!実は毒性を持った物質が存在しています。それが「タキシフィリン」です。
カナダ食品検査局が行った調査によって、筍に含まれるタキシフィリンは他の野菜などと比べて、はるかに高濃度に含まれている事が分かりました。 タキシフィリンとは、シアン化物の青酸配糖体で毒性があります。例えば、自殺などで耳にする「青酸カリ」もシアン化物です。
えーっ!?
そんなもん食べて良いの!?Σ( ̄ロ ̄lll)
あ、上の画像はイメージ画像ですので、筍とは関係ありません(汗。
というか、当然ながら、そんなもん食べて大丈夫なのか?そう思いますよね?しかしご安心下さい。
実はタキシフィリンは熱に弱いのです。98℃の熱湯で20分間茹でることで70%ほどは除去されます。つまり、筍のアク抜きの工程で、タキシフィリンはほとんど除去できるというわけです。
しかし、70%と言うと、残りの30%は大丈夫なの?と不安になりますよね。
これに関しては、FSANZ(オーストラリア・ニュージーランド食品基準機関)の調査結果が参考になります。
植物性食品のリスク調査を行い、筍のシアン化物は健康面で安全上のリスクは無いという結果になっていますので、普通にアク抜きして食べてれば毒性に関しては問題無いと言えるでしょう。
< 参照資料 >
■ 【 食品等の安全性に関する情報 】 東京都福祉保健局
■ 【 食品安全情報(化学物質) 】 国立医薬品食品衛生研究所
孟宗竹に含まれるアクの原因であるシュウ酸、ホモゲンチジン酸、または青酸配糖体であるタキシフィリンは、アク抜きの工程を経ることで気にしなくても良いという事はお分かり頂けたでしょう。
しかし、ここで気になる事例があります。それはネット上の個人ブログや、Yahoo!知恵袋、教えて!goo、などを見ていると、筍を食べて具合が悪くなった、アレルギーの様な症状が出たという話がけっこうあるという事実です。
「たけのこアレルギー」というものは、あるのでしょうか?
筍を食べて変調をきたすのは「薬理活性物質(仮性アレルゲン)」が原因と考えられます。簡単に言うと、アレルギーの様な症状を引き起こすもので、
免疫とは関係がなく起こるものなので、食物アレルギーとは違います。そして筍には、この仮性アレルゲンとなる「アセチルコリン」が含まれており、これによって蕁麻疹や喉のイガイガ、痒みなど、人や体調によってアレルギーの様な症状が出る場合があります。
体調が悪くて不安だという方や、過去に筍を食べて症状が出たことがあるという方などは、筍を食べるのを避けるか、過度に摂取しない方が良いと言えるでしょう。
< 参照資料・参考サイト >
■ 【 よくわかる食物アレルギーの基礎知識 】 独立行政法人 環境再生保全機構
■ 【 蕁麻疹(じんましん) 】 一般社団法人 加古川医師会
食品の産地偽装は、一時期次々と明るみに出て問題になった事もあり、我々消費者にとってはとても重要な問題です。筍に関しても中国産の筍を国産と偽って販売している例もあるようです。本当に勘弁してほしいですよね。(*≧д≦)ノ
さて、そんな産地偽装ですが、私も遂にその現場を目撃してしまいました!!
・・・と言うと、かなり語弊があります。すみません。大げさに言い過ぎました。
きっと産地偽装なんかではなく単なる間違いだ推察されますが、話として面白いので載せておきたいと思います。
その日もアク抜き実験用に使う筍を探して、あちこちのスーパーや八百屋さんを巡っていました。
すると安い筍を発見!!
100g あたり 48円 !!
よっしゃあ!これは買いだ!!と思い、まとめ買いしようとした時に産地の表示に気付きました。
ト、トンガ産~!?Σ(゚□゚ノ)ノ
トンガ産なんて聞いたこと無いし、収穫後に時間の経過と共にえぐ味を増していくのにそんな遠くから輸入?これでまとめ買いして不味かったら嫌だなあと考え、とりあえず1本だけ購入する事にしました。
帰宅して早速アク抜きして、筍を冷ましている間にトンガ王国に関して調べてみました。
トンガ王国はオセアニアに属し、オーストラリア大陸の東方、太平洋上にある170の島々からならる国家です。
成田からは、ニュージーランドのオークランド国際空港で乗り換えて約22時間。日本の商社マンが1980年代に持ち込んだカボチャ栽培による外貨獲得は40%にも上り、モノカルチャー経済が問題視されています。
しかし、カボチャの情報はたくさん出てきますが、いくら探してみてもトンガ産の筍の情報は全く見つかりません。これは自力ではどうしようもないと思い、農林水産省に輸入実績を問い合わせてみることにしました。
そしてアク抜きしてまだ冷めきっていない筍をとりあえず捌いて食べてみました。う~ん。普通に旨い。普通に日本の筍と同じ。これはトンガ産て間違いじゃね?と考え、もっと買っておこうと思い、購入したスーパーに再び訪れました。
すると、筍のラベルが全て「千葉県産」に変わっていました。グラムあたりの値段も同じですし、見た目の形的にもさっき買おうと思っていた筍と同じだと思われます。
やはり間違いだったか~と思い、いずれにしろお買い得だから買っておこうと、残っていた筍をまとめ買いしてアク抜き実験に使用しました。
そして翌日、農林水産省から問い合わせに関する返信がありました。
以前にJAなんかに農作物の問い合わせをした時なんかは、忘れた頃に返事が来たので、所詮お役所仕事だろと思っていたので、このレスの速さに感動!
担当の方、本当に迅速で丁寧な返信をありがとうございました。
農林水産省の方が財務省貿易統計等で確認したところ、やはり生筍のトンガからの輸入実績は確認できなかったとの事でした。 これらの点から、やはりトンガ王国産ではなく千葉県産の筍であったと思われます。しかし、何故そのような間違いが起こったのか?
ここで上の画像を御覧下さい。これは筍を掘る時なんかに使われる農作業具で「唐鍬(とうぐわ)」というものです。これが訛って「トンガ」とも呼ばれます。そう、「トンガ」です。この事から、以下のようなやり取りが推察できます。
■私が想像したやり取り
スーパーのラベル作成した人
「たけのこを掘るのって大変なんすかあ?」
納品業者の方
「トンガ(唐鍬)で掘れるから、そんな大変じゃないよ。」
スーパーのラベル作成した人
「へえ~、たけのこってトンガ(王国)で掘れるんすか?」
納品業者の方
「そうだよ。トンガ(唐鍬)で掘るんだよ。」
例えばですが、この様なやり取りの中から勘違いが生じ、「トンガ産」になったのではないかと。
また他のお店での話ですが、珍しい山菜が売っており、野菜としか書いていなかったので何の山菜か質問してみたところ、分からないと言われた事があります。
つまり、八百屋さんで働いている人の誰もが誰も野菜に詳しいわけではないという事です。規模の小さい八百屋さんならそんなこともないでしょうが、ちょっと規模が大きくてバイトの人とかを雇っている場合は、そんな事もあるでしょう。
筍を商品として考えるに、「トンガ産」と「千葉県産」なら、多くの人は「千葉県産」を選ぶのではないでしょうか。わざわざ「トンガ産」と偽装するメリットは無いと思われます。
そう考えると、今回の件は「偽装」などという仰々しいものではなく、ちょっとした勘違いによるオモシロ失敗談なんだろうなあと。
そんな食い違っている、ある意味で微笑ましいとも言えるやり取りを想像して、私の頬も緩むのでした。
筍の栄養から産地、中国からの伝来に関する諸説、そして毒性やアレルギーに関する話に、私が見た偽装(勘違い?)のオモシロ話などなど、筍に関する様々な情報をこのページではご紹介しました。
もちろん、これらの情報を知らなくとも美味しいタケノコ料理を作ることはできます。しかし筍のことを深く知ることで、より美味しく調理することができるのではないでしょうか。それはつまり、筍をより美味しく味わえるという事です。
みなさんも筍の事をもっと知って、愛情持って美味しく調理して上げて下さいね。
という事で、次のページでは筍を使った色々なレシピをたっぷりとご紹介していきますよ~♪
たけのこを使ったレシピ一覧(σゝ∀・)σ
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