生めかぶを長期保存する

【生めかぶの長期保存】 2/5頁
乾燥・塩蔵・瓶詰めで生めかぶを一年中味わう

自家製の干し(乾燥)めかぶ

冬から春にかけてが旬となる生めかぶ。
毎年この時期になるのを待ちわびている生めかぶ好きな方も、長期で保存しておけば旬の季節以外でも味わうことができます。また予期せずたくさん入手した場合なども、使いきれず捨てるくらいなら長期保存しておけば無駄になりません。

冷凍するだけでもある程度は保ちますが、冷凍庫のスペースの問題などもあるでしょう。そんな時に常温や冷蔵で長期保存できれば便利ですよね。

ということで、干しめかぶの作り方、そして便利に使える乾燥刻みめかぶの作り方、同じく常温保存できる瓶詰め、そして塩蔵での長期保存の仕方をご紹介します!
(*´∀`*)

1.刻み乾燥めかぶの作り方

 味噌汁などに便利に使える刻みめかぶ

自家製の刻み干し(乾燥)めかぶの作り方

カットわかめや刻み昆布、その他の海藻類の乾物などと同じように、パパっと味噌汁に入れたり、料理に添えたり、サラダにトッピングしたりと、簡単便利に使える刻み乾燥めかぶの作り方です。

 めかぶを切り分けて刻む

1.【切り分ける】
生めかぶを茎とミミに切り分ける

まず生めかぶを茎とミミに切り分けます。

2.【カットする】
生めかぶのミミを一枚にカット

連なっているミミ部分を一枚ずつにカットします。

  • 生めかぶの切り方の詳細は 1ページ目 にて図解で解説しています。
3.【千切りにする】
生めかぶのミミを千切りにする

ミミ一枚を縦方向に千切りにします。

4.【全てカット】
千切りにした生めかぶのミミ

乾燥保存する分を同じように全て千切りにします。

  • 様々なカットで料理に使いたい場合は千切りではなく丸のままで干しましょう。詳細は 以下 で。

 刻んだめかぶを乾燥させる

5.【乾燥させる】
刻んだ生のめかぶを乾燥させる

刻んだら干しかごなどに入れて、乾燥させましょう。

【茎部分】
生めかぶの茎部分を薄切り

茎部分も使いたい場合は薄切りにして、同じように乾燥させます。

  • 私の場合は浴室乾燥で、3時間乾燥にかけています。
【最初の状態】
乾燥中の刻みめかぶ
乾燥中のめかぶの茎

こちらは干した最初の状態の刻みめかぶと茎です。

【乾燥1時間半】
1時間半経過した乾燥中の刻みめかぶ
1時間半経過した乾燥中のめかぶの茎

そしてこちらが1時間半経過した様子です。ミミ部分の方はだいぶカラカラになってきましたが、茎部分はまだかなり水分が含まれています。

 刻み乾燥めかぶの保存

【乾燥3時間】
三時間乾燥させた刻みめかぶ
三時間乾燥させためかぶの茎

三時間乾燥させた状態です。ミミ部分も茎部分もカラカラに乾きました。

【常温で保存】
刻み乾燥めかぶの保存
めかぶの茎の乾燥保存

乾燥が終わったら、保存袋や瓶などに除湿剤と共に入れて保存しておきましょう。このまま常温で保存できます。

お好みで、ミミ部分と茎部分とを別にせずにミックスしてしまっても良いでしょう。

 刻み乾燥めかぶの戻し方

刻み乾燥めかぶの湯戻し
湯戻しした刻み乾燥めかぶ
画像:「湯戻しした刻み乾燥めかぶ」

刻み乾燥めかぶの戻し方は簡単です。
お湯を注いで1分ほど経てば戻ります。ネバトロ感も戻りますので、ご飯などにのっけて味わいましょう。

刻み乾燥めかぶを味噌汁に入れる
刻みめかぶの味噌汁
画像:「そのまま味噌汁に入れるだけ」

味噌汁などにも、そのまま入れれば戻りますので、お手軽に使うことができます。
(σゝ∀・)σ

 1年間保存した刻み乾燥めかぶ

一年間保存した刻みめかぶ
一年間保存した刻みめかぶをお湯に浸す
画像:「1年間保存した刻みめかぶ」

そしてこちらが一年間、常温で保存していたものです。
色はくすんでしまっていますが、同じようにお湯に浸せば、すぐに戻ります。

湯戻しした一年間保存した刻みめかぶ
刻み乾燥めかぶの戻し汁
画像:「湯戻ししためかぶと戻し汁」

戻した状態も色はくすんでいますが、腐っているわけではありません。一般的な乾物も長期で保存していると黒ずんできますので、同じ現象だと思われます。

ちなみに戻し汁には、めかぶの旨味が溶け込んでいますので、味噌汁などに利用すると良いでしょう。

湯戻しした一年保存の刻みめかぶ
納豆と合わせた刻み乾燥めかぶ
画像:「納豆と合わせた刻み乾燥めかぶ」

さて、一年間常温で保存しておいた刻み乾燥めかぶですが、長期保存によるものなのか、ネバトロ感は少なめになっており、どちらかと言うとサッパリとした感じになっていました。
ネバトロが好みの方は、納豆などと合わせることでネバトロ感を補填してやると良いと思いますよ。

 刻み乾燥めかぶの注意点

【天日干し】
天日干し中の刻みめかぶ
【新聞紙に付着】
新聞紙にくっついた刻みめかぶ

最初の画像は刻みめかぶを天日干ししていた時のものです。めかぶの水分含有率は90%ですので、これだけ細かく切り刻んでも天日ではなかなか乾燥しませんでした。
お住いの地域の気候によっては天日でも充分に乾燥できると思いますが、都内では2日近く干しても乾燥しなかったので、浴室乾燥を利用しました。

そして次の画像が新聞紙を敷いて乾燥させた時のものです。ネバネバするので網に直接入れることに抵抗があり、新聞紙を敷きましたが、これが大失敗…。
乾燥し終わった時に、めかぶが新聞紙にこびりついてしまったので、新聞紙は使わない方が無難だと思います。

※ 刻み乾燥めかぶの作り方は改良実験中ですので、また随時更新いたします。

2.干しめかぶの作り方

 調理に合わせて使える干しめかぶ

自家製の干し(乾燥)めかぶの作り方

刻みめかぶに続いては、ミミ部分を丸のままで乾燥させた干しめかぶです。
刻みめかぶは使う場合にお手軽な分だけ、その形状から利用方法も限定されてしまいますが、ミミ部分を丸のままで保存しておけば、調理に合わせてお好みのカットができます。

 生めかぶのミミを干す

1.【切り分ける】
生めかぶのミミ部分

生めかぶのミミと茎を切り分けます。

2.【ミミを干す】
生めかぶのミミを干す

切り分けたミミ部分を浴室乾燥で干していきます。

  • 茎とミミとの切り分け方の詳細は 1ページ目 にて解説しています。
  • 切り分けずに丸ごと1本だとなかなか乾燥しないので、ミミだけにしています。
3.【3時間後】
生めかぶのミミを3時間乾燥

乾燥にかけ3時間経過。まだ生乾きです。

4.【6時間後】
生めかぶのミミを6時間乾燥

6時間ほどでカチカチに乾燥されました。

  • 天日干しでは数日かけても乾燥できませんでしたので浴室乾燥がおすすめです。
  • お住いの地域によっては天日干しでも可能でしょう。そこはお好みで。
【ミミを一枚ずつ】
生めかぶのミミを一枚ずつ乾燥

ミミを一枚ずつにカットして乾燥しても良いでしょう。

【6時間乾燥】
生めかぶのミミ一枚ずつを6時間乾燥

こちらも6時間ほどでカチカチになります。

  • ミミを一枚ずつにすれば、保存の際にあまりかさばりません。

 干しめかぶの戻し方

干しめかぶを熱湯に浸す
湯戻しした干しめかぶ
画像:「湯戻しした干しめかぶ」

刻み乾燥めかぶと同じように熱湯に浸しておけば、数分で戻ります。

湯戻ししためかぶのミミ
めかぶを湯戻しした戻し汁
画像:「戻した汁も旨い」

ミミ一枚に切り分けたものも湯戻しで。また、例によって干しめかぶを戻した戻し汁には旨味が含まれていますので、味噌汁などに活用すると良いでしょう。

 1年間保存していた干しめかぶ

一年間保存した干しめかぶ
湯戻しした一年ものの干しめかぶ

一年間、常温で保存していた干しめかぶです。
数分お湯に浸しておけば戻りますが、一年間保存していた刻み乾燥めかぶと同じように、やはり色はくすんでいます。粘り成分も少なくなっている感じなので、プラスに考えれば色々な料理に合わせやすいのではないでしょうか。

※ 干しめかぶの作り方は改良実験中ですので、また随時更新いたします。

3.塩蔵めかぶの作り方

 塩の力で長期保存する塩蔵めかぶ

自家製の塩蔵めかぶの作り方

乾燥(干し)での長期保存に続いては、塩蔵による長期保存の方法をご紹介します。こちらは常温ではなく冷蔵保存ですが、天日干しや浴室乾燥などの保存方法と比較して選ぶと良いと思います。

 塩蔵めかぶの下漬け

1.【切り分け】
生めかぶの茎とミミの切り分け

生めかぶのミミと茎を切り分けて、ミミ部分を塩蔵します。

2.【塩もみ】
生めかぶを塩もみ

切り分けたミミ部分に、たっぷりの塩を揉み込んでいきましょう。

  • 画像ではミミのヒダが細かくヒラヒラしためかぶを使っていますが、ミミの厚いしっかりしたしためかぶの方が長期保存には向いています。
  • めかぶの種類に関しては 3ページ目 にて公開しています。
3.【加圧】
塩もみしためかぶを加圧する

塩もみしたミミ部分に漬物石などを乗せて加圧します。

【代用品で】
代用品を重しにしても良し

漬物石がなければ、瓶やペットボトルなどで代用してもOK。

  • 上の画像では、押し蓋の代わりに平らな皿、その上に漬物石代わりに瓶を乗せています。
4.【半日ほど】
加圧した後の塩もみめかぶ

半日ほど加圧し、めかぶから水分を出します。

5.【水気を切る】
塩もみめかぶを水切り

めかぶをギッチリと絞って、水気を切ります。

  • 水気が出ると言っても粘液なので、かなりヌルヌルします。

 塩蔵めかぶの本漬け

6.【塩もみ】
下漬けしためかぶを本漬け

水気を切っためかぶに再び塩をまぶして揉み込み、本漬けします。

7.【冷蔵保存】
本漬けしためかぶを冷蔵保存

保存袋などに入れて冷蔵保存しましょう。

  • 常温での保存に関しては実験中です。

 塩漬けの際の捨て汁を活用する

めかぶを塩漬けした際に出た粘液
めかぶの粘液で生卵をとく
画像:「めかぶの粘液と生卵」

さて、いつも通りに勿体無い精神の私は、めかぶを下漬けした際にめかぶから出た液体(粘液)も、もったいないということで使ってみました。

生卵に入れる醤油の代わりに使ってみると美味しかったです。このめかぶの粘液にはアルギン酸フコイダンなどが含まれているので、みなさんも料理などに利用してみてはいかがでしょう。
ただし、当然ながら相当に塩分を含んでいますので、使う際には量を調整してください。

※ めかぶに含まれる栄養素などの詳細は 3ページ目 にて解説していますので、併せてお読みください。

 塩蔵めかぶの使い方

一年間保存した塩蔵めかぶ
一年間保存した塩蔵めかぶ
画像:「1年間保存した塩蔵めかぶ」

こちらが冷蔵庫で1年間保存していました塩蔵めかぶです。どろどろに溶けているようにも見えますが、中身を見てみると、そうでもありませんでした。

塩蔵めかぶを水洗い
水洗いした塩蔵めかぶ
画像:「水洗いした塩蔵めかぶ」

塩蔵めかぶを使う際には、水洗いして塩を洗い流します。

塩蔵めかぶの塩抜き
塩蔵めかぶの湯通し
画像:「塩蔵めかぶの塩抜きと湯通し」

塩漬けにしているので、水に浸けて塩抜きをします。時々味を見て、ちょうど良い頃合いで使いましょう。塩抜き後に熱湯に浸して湯通しします。味噌汁に入れたり、炒めたりする場合には湯通しは省いてOKです。

湯通しした塩蔵めかぶ
塩蔵めかぶを湯通しした汁
画像:「湯通ししためかぶと汁」

ミミが薄くてヒラヒラしているめかぶを使って塩蔵したことは前述しましたが、やはりそのミミの厚みが関係するのか、湯通しした後のめかぶは若干歯応えがなくなっていました。
この辺りに関しては現在実験中ですので、追って改訂版を掲載します。

そして湯通しした汁には、もちろんめかぶの旨味が出ていますので、味噌汁や鍋の出汁などに活用すると良いでしょう。

※ 塩蔵めかぶの常温保存などは実験中ですので、また随時更新いたします。

4.瓶詰めめかぶの作り方

 瓶詰めでめかぶを長期保存する

自家製の瓶詰めめかぶの作り方

瓶詰めでの保存は、塩蔵や乾燥と比べると作業によっての手の汚れがありません。特にめかぶはヌルヌルネバネバしているので、その差は大きいかと思います。手が汚れるのが面倒臭いという方は瓶詰め保存してみてはいかがでしょう。

 生めかぶの瓶詰め

1.【瓶詰め】
生めかぶのミミを瓶に詰める

茎とミミに切り分けためかぶのミミ部分を消毒した瓶に詰めます。

2.【熱湯を注ぐ】
生めかぶを入れた瓶に熱湯を注ぐ

生めかぶのミミを詰めた瓶に熱湯を注ぎます。

  • 瓶詰めに使う瓶は、煮沸消毒などして殺菌しておきましょう。
  • 瓶の煮沸消毒の方法に関しては こちらのページ に詳細を載せています。

 瓶詰めめかぶの加圧と脱気

3.【瓶の内圧を上げる】
瓶詰めめかぶの内圧を上げる

鍋にすのこなどを敷きお湯を沸かし、沸騰したら瓶を入れて瓶の内圧を上げます。

4.【脱気する】
瓶詰めめかぶの脱気

5分ほど経ったら鍋から瓶を取り出し、フタを緩めて脱気します。空気が抜けたら素早くフタを締めます。

  • 鍋に瓶を入れる際には、フタは緩めに閉めておきましょう。
  • 脱気をする時は、フタを少し緩めるとシュッと空気が抜ける音がします。
  • 瓶詰めの脱気の詳細な方法は こちらのページ で解説しています。
5.【煮沸消毒】
瓶詰めめかぶを煮沸消毒

脱気してフタをキツく締めたら、再び熱湯に入れて火にかけ、15分ほど煮沸消毒します。

6.【瓶を冷ます】
瓶詰めめかぶの温度を下げる

瓶を鍋から取り出したら、そのまま常温で冷まします。

  • 瓶が冷めた時に内圧が下がり、フタの中央が凹んでいれば脱気は成功です。
  • 脱気ができているかどうかの見分け方の詳細は こちらのページ に図解で載せています。

 1年間保存した瓶詰めめかぶ

一年間常温で保存していた瓶詰めめかぶ
一年間常温保存した瓶詰めめかぶのフタ
画像:「1年間常温保存した瓶詰めめかぶ」

こちらが1年間、常温で保存していた瓶詰めめかぶです。
フタの中央も凹んだままなので特に腐敗などもしていません。

フタが膨らんていたり、腐敗臭がしたり、腐っている兆候が見られた場合は、残念ですが破棄しましょう。

 瓶詰めめかぶの使い方

瓶詰めしていためかぶを洗う
一年間保存していた瓶詰めめかぶ
画像:「瓶詰めめかぶを洗って使う」

瓶詰めめかぶを使う際は、中身を取り出したら水を捨て、流水で洗い流して調理に使ってください。

めかぶを賢く保存して長期で楽しむ

刻み乾燥めかぶ

生めかぶを長期で保存する方法をご紹介してきましたが、やはり旬のものを旬の時期に食べるという行為も贅沢なものです。
その点から考えると、長期保存はある意味で邪道と言えるかもしれませんし、やはり旬の時期に食べる美味しさには敵いません。

しかし安く売ってたから大量に買ったものの使いきれなかったという場合や、ご近所さんや親戚の方からたくさんもらったなんて場合には、賢く長期保存しておくことで捨てずに使い切ることができます。

また、旬の時期以外に生めかぶを食べたいんだよなあという欲求をお持ちの方もいるでしょう。
そんな時は、本記事にてご紹介した塩蔵や乾燥、瓶詰めで保存して一年を通して生めかぶの美味しさを楽しんでくださいね。
(*’∀`)ノ゚

※ 各長期保存方法については追加実験中ですので、随時更新いたします。